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コカ・コーラの墜落

Posted April. 28, 2017 10:43,   

Updated April. 28, 2017 10:43

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「残り人生を砂糖水なんかを売って暮らしたいか?でなければ世の中を変えるチャンスをつかみたいか?」。アップルを創業したスティーブ・ジョブズ氏が1983年にペプシコーラのジョン・スカリー社長を最高経営者(CEO)をスカウトする際に口説いた言葉だ。スカーリ氏は誰か。目隠しをしてコーラを飲む人が目隠しを外すと「あれ!ペプシじゃないか」と驚くブラインドテストの飲み比べの広告でペプシコーラを堂々とコカ・コーラのライバル企業に成長させたマーケティングの天才だった。「黒い砂糖水」を売っていた彼は、アップルに移して2年目に創業者ジョブズまで追い出した。彼自身も結局は10年ぶりに会社を離れたが、「スマートフォンの父」として残った。

◆容量500ミリの炭酸飲料1本には3グラムの角砂糖18個の糖分が入っている。世界保健機構(WHO)が勧告した加工食品を通じた成人の1日の糖類摂取量(50グラム)を超える。炭酸飲料に入っているリン酸はカルシウムの吸収を妨げ、骨を弱くする。多くの国が肥満や骨の弱体化の主犯である炭酸飲料の青少年の飲用を警戒している所以だ。炭酸飲料と言えば、コカ・コーラだ。マクドナルド・ハンバーガーとともに米国の資本主義を象徴する。世界20あまりの国が導入したか、導入する予定の「砂糖税」は「コーラ税」とも呼ばれている。

◆コカ・コーラが本社職員の20%に上る1200人を削減すると、25日発表した。追加の人員削減にも踏み切り、2019年までに毎年8億ドル(約9040億ウォン)の費用削減を目指すという。売上額が2012年以降4年ぶりに13%減少したからだ。さらに、コカ・コーラの主力事業を事実上放棄して新しい商品開発に取り組むことにした。コーラ事業では2位を座に甘んじたが、いち早く事業の多角化に取り組んだ「ペプシモデル」のベンチマークしたのだ。

◆ペプシは2000年代に入ってフルーツジュース(トロピカーナ)やスポーツドリンク(ゲットライ)といった無炭酸飲料や、オートミル(クエーカー)といった健康を意識したスナック事業にビジネスを多角化し、コカ・コーラを大きく上回る成長を続けている。コカ・コーラの売上の70%が炭酸飲料なのに対し、ペプシは20%に過ぎない。さらには環境に優しい食品作りや所得の地域社会への還元も実践している。100年以上も栄え続けた企業も変化する時代のトレンドを読み取れなければ危機を迎えるものだ。