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マクロン氏の虚を突いたルペン氏

Posted April. 28, 2017 08:40,   

Updated April. 28, 2017 08:55

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「私は労働者の側に立っており、マクロン氏は少数の企業家の側に立っている」

26日午前、フランス北部の小都市アミアンの米家電大手ワールプールの工場を予告なく訪問した極右政党・国民戦線(FN)のルペン候補は、いつよりも強いトーンで中道新党「アン・マルシュ(進め)」のマクロン候補を攻撃した。

アミアン工場は、ワールプールのポーランド移転の決定によって労働者約290人が失業の危機に置かれている所だ。ルペン氏は、工場の駐車場を訪れ、職員たちと写真を撮って、「私が大統領になれば、ワールプールのアミアン工場は絶対閉鎖させない」と約束した。

アミアンが故郷のマクロン氏は、同じ時間、同地域の商工会議所でワールプールの労組代表と対策を話し合っていた。予定されていた遊説だった。ルペン氏がワールプール工場に現れたという知らせを聞いてあたふたと駆けつけたが、すでにルペン氏側に傾いた労働者は、「大統領マリン・ルペン」というスローガンを叫んだ。突然起こったアミアン対決でマクロン氏は完敗した。

来月7日の大統領選決選投票を控え、各種世論調査で4対6で劣勢のルペン氏が大逆転に向けて選択したキャンペーン戦略は「トランプの模倣」だ。米国のトランプ氏は、敵と味方に2分して支持層を結集させる方法を駆使する。主な支持層である低所得・低学歴階層に向かって簡単で明確なメッセージを投げるのもトランプ氏の特徴だ。

ルペン氏側関係者は26日、「ポリティコ・ヨーロッパ」とのインタビューで、「労働者の側に立ったルペン氏と世界主義者の側に立ったマクロン氏の違いを浮き彫りにすることが最高の選挙戦略だ。トランプ式戦略と言ってもいい」と強調した。ルペン氏の主な支持層も低所得・低学歴階層だ。ルペン氏の父親でFN創立者のジャンマリ・ルペン氏も25日、「私が彼女の立場なら、トランプのような選挙方法を選ぶだろう」と助言した。

しかし、トランプ氏の大統領選勝利戦略がフランスでもそのまま通じるかは疑問だ。フランスでは、理念や階層を問わずトランプ氏に対する反感が強く、ロールモデルと見なすことはできない。そのうえ、主なターゲットを労働者階層に限定する場合、過半数の得票に向けた支持率拡大にも障害となる可能性が高い。



董正民 ditto@donga.com