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NHLのスーパースター、オベチキン選手「祖国のために平昌五輪に参加」と宣言

NHLのスーパースター、オベチキン選手「祖国のために平昌五輪に参加」と宣言

Posted April. 06, 2017 08:51,   

Updated April. 06, 2017 08:51

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いきなりアイスホッケーが世界スポーツ界で大きな注目を集めている。

北米アイスホッケーリーグ(NHL)事務局が4日、世界トップレベルのNHL球団所属選手たちを来年開催の平昌(ピョンチャン)冬季五輪に参加させない方針を決め、波紋を呼んでいる。この決定に選手とファンが一斉反発し、事態は感情的な対立にまで発展している。冬季五輪の花と言われるアイスホッケーに世界最高の選手たちが参加しないのは話にならないとして反発しているのだ。

NHLのリーグ得点王を6度経験し、MVPに3度受賞したロシア出身のアレクサンダー・オベチキン(ワシントン・キャピタルズ)は5日、「五輪参加は自分の祖国に関わる問題だ。自分は全ての選手が平昌でプレーすることを望んでいると思う。五輪でプレーするのは人生で最高の機会だ」と話した。その上で、「自分は無条件(平昌に)行く」と言い、事務局の決定に反対する意向を明確にした。同じチームのDFケビン・シャッテンカーク(米)とGKブレイデン・ホルトビー(カナダ)も似たような立場を表明した。

ワシントンのオーナー、テッド・レオンシス氏は「うちの選手たちが自国のために五輪に参加しようとすれば、事務局から罰金を科されかねない。私も、形はどうあれ懲戒処分を受けるだろうけど、選手たちを助けたい」と言い、選手の五輪参加を支持した。

すでにボストン・ブルーインズの主将、ズデノ・チャラ(スロバキア)は、「世界最高の大会である五輪で国の名誉をかけてプレーするのは特別なことだ」と言っており、フィラデルフィア・フライヤーズのヤクプ・ボラチェク(チェコ)は、「平昌五輪に参加しないのはバカバカしく、愚かなことだ」と極端な表現で反感を示した。

1980年代と90年代のNHLのレジェンドであるフィンランド出身のヤリ・クリ氏も議論に加わった。クリは、NHL選手として1998年の長野五輪にフィンランド代表として出場し、3位決定戦で「アイスホッケーの皇帝」ウェイン・グレツキーが立ちはだかるカナダを破って銅メダルを獲得した記憶を、人生最高の思い出に挙げた。クリ氏は、「選手たちが可哀そうだ。最高の選手たちは全ての競技場にいなければならない。ましてや五輪はアイスホッケー選手たちにとっては家族ようなものだ。NHL事務局が選手たちを家族と引き離すような悪行を行った」と言い、NHL事務局を批判した。

他競技の指導者たちも批判の声をあげた。「フィギュア―女王」金妍児(キム・ヨナ)に次いで男子フィギュアの世界最強者、羽生結弦(日本)を指導しているカナダ出身のブライアン・オーサー氏は同日、「NHLはスポーツよりもビジネスの方が重視していることをさらけ出した」と話した。

数々の批判を浴びているNHLに同調する意見もなくはない。カナダ出身のスポーツ弁護士、トレバー・ウィペン氏は、「選手はチームとの契約に従ってチームのためのプレーする義務がある。チームの損害が発生すれば、契約は破棄となり報酬がもらえなくなる可能性もある。そうなれば自分のキャリアにも問題が生じる」と指摘。また、「今のような議論が続けば、NHL事務局は選手の五輪参加禁止を裁判所に要請するかもしれない。裁判所は、結局はNHLに軍配を上げるしかない」と話した。

とは言え、米国の4大プロスポーツのうちNHLは選手会の影響力が強いことで有名だ。そこにファンもNHL事務局を激しく批判している。結局、時間が経てば「決定の扉を完全に閉ざした」と言っていたNHL事務局としても、改めて国際オリンピック委員会(IOC)や国際アイスホッケー連盟(IIHF)との交渉に出るほかないだろう、との見方が出ている。



兪載泳 elegant@donga.com