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中国発の粒子状物質対策でドローン活用、ソウル市が検討

中国発の粒子状物質対策でドローン活用、ソウル市が検討

Posted March. 31, 2017 08:33,   

Updated March. 31, 2017 08:34

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深刻化する粒子状物質を減らすため、ソウル市がドローン(無人機)を活用する案を検討している。老朽化したディーゼル車両の取り締まりや道路の粉塵吸収のような従来の対策では、中国発と推定される粒子状物質を減らすには限界があるという判断によるものだ。

ソウル市の関係者は30日、「国内での発生源を減らすこと以外にも追加対策が必要だ」とし、「ドローンを使って粒子状物質を減らす様々な対策を検討している」と明らかにした。環境部によると、深刻な粒子状物質が首都圏を襲った今月17~21日の粒子状物質の国外寄与率は最高で80%を超えた。

今まで考案されたドローンを活用した粒子状物質の除去方法は大きく2種類がある。一つは、粒子状物質除去フィルターを搭載したドローン数十~数百台を、特定地域の上空に飛ばして粒子状物質を吸い込むことだ。いわば「飛ぶ空気清浄機」といえる。この方法は昨年、米国の有力科学誌「サイエンス」に紹介された。

もう一つの方法は、ドローンが空中から水や化学物質を散布することだ。中国政府は2014年、自国の軍需メーカー「中國航空工業集團公司(AVIC)」と契約を交わして、このような粒子状物質除去用ドローンの開発に着手した。このドローンは、粒子状物質を固めて凝固させる化学物質700キロを空中から撒いて、5キロ半径の粒子状物質を地面に落とす。

人工降雨を作るヨウ化銀の物質を搭載したドローンを飛ばして、粒子状物質が深刻なところに雨を降らす技術も開発されている。この方法は、中国発粒子状物質において、ソウル市と同様の影響を受ける京畿道(キョンギド)が今年、実験に乗り出す計画もある。西海(ソヘ)を渡る粒子状物質がひどいと予想される日に、西海岸の上空に飛行機を飛ばして人為的に雨を降らし、「遮断幕」を作るのだ。

ソウル市はこのような方法を中心に検討している。

粒子状物質に対応するためのドローンの活用は、観測レベルでは既に活発に議論されている。これに先立って昨年11月、政府は2023年までにドローンを活用して粒子状物質の移動観測プラットフォームを構築すると発表した。小型測定センサーをつけて、高度2キロほどまで上がればできるので、現在の技術でも十分可能だ。一方、空中で粒子状物質を直接除去するためには大型設備を搭載しなければならない上、高度もさらに確保されなければならず、技術的に容易でないという分析も出ている。

韓国航空大学航空機械学科の宋龍奎(ソン・ヨンギュ)教授は、「将来的には無人機が粒子状物質対応に重要な手段になるかもしれないが、大型固定翼飛行機や無人飛行船ではなく、小型のマルチコプト(複数の回転翼で飛ぶ飛行機)ドローンは、高度や重量に限界がある」といい、「技術開発がさらに行われなければならない」と語った。



黃泰皓 taeho@donga.com