最近、日本の国会では、南スーダン国連平和維持活動(PKO)をした陸上自衛隊の日報の隠蔽疑惑をめぐって激しい攻防が繰り広げられている。防衛省は昨年12月、日報の公開を求める情報公開請求に対して「廃棄された」と答えたが、その後電子データが残っていたことが明らかになった。
ところで、この過程で防衛省が12月末に日報を見つけても、1ヵ月間稲田氏に報告しなかったことが明らかになり、「組織掌握力」が問題視されている。朝日新聞は、「報告遅れが明らかになると、稲田氏は幹部を呼んで厳しく責めた。省内では『大臣がいらだっている』という受け止めが広がり、ギスギスした空気が流れている」と伝えた。
公開された日報には、「戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘が確認される」という内容があった。野党は直ちに武力行使を禁止した憲法9条および休戦合意後に自衛隊を投じるという「PKO参加5原則」に反するとして撤収を求めた。
これに対して稲田氏は国会で、「日報には『戦闘』とあったが、南スーダンでは法的な意味での『戦闘行為』はなかった」、「憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」といった理解に苦しむ答弁で野党の非難を受けた。窮地に追い込まれると安倍晋三首相が代わりに答える場面が繰り返され、野党議員から「情けない」というヤジが飛んだ。
弁護士出身である稲田氏は、「戦時慰安婦は合法だった」などの発言で以前から右翼的立場をとってきた人物だ。昨年8月の就任後、日本の核兵器保有の可能性についての発言やハイヒールを履いて潜水艦に搭乗するなど行動が議論を呼んだ。年末には現役防衛相として初めて靖国神社を参拝し、韓国と中国の反発を買った。
民進、共産、社民など野党は対策会議を開き、一斉に稲田氏の辞任を要求した。国会前でも辞任を求める集会が毎週開かれている。
張源宰 peacechaos@donga.com