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開城に残した韓国企業の電気炊飯器、北朝鮮が中国に数百個を横流し

開城に残した韓国企業の電気炊飯器、北朝鮮が中国に数百個を横流し

Posted February. 06, 2017 08:27,   

Updated February. 06, 2017 08:29

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北朝鮮が、昨年2月の開城(ケソン)工業団地の閉鎖後、韓国企業が残しておいた電気炊飯器を中国に横流ししていると、自由アジア放送(RFA)が最近報じた。開城工業団地に勤務しながら韓国企業から技術伝授を受けた熟練労働者の一部が中朝国境周辺の中国企業に勤務するなど、南北対立によって中国だけが恩恵を受けているという指摘が出ている。中国企業は、2010年の5・24措置で南北経済協力が中断されたこと受け、北朝鮮関係のビジネスを独り占めしてきた。

RFAは、中朝国境周辺都市の北朝鮮筋の話として、「北朝鮮が、開城工業団地で製造した韓国有名ブランドの電気圧力炊飯器を中国に売った」と報じた。同筋は、「開城工業団地に残された韓国製品を北朝鮮が横流ししたのは昨年12月中旬頃のことで、その数は数百個に達すると言われている」と伝えた。

中朝国境都市で韓国商品販売店を経営している別の消息筋は、「昨年12月上旬、普段取引のなかった北朝鮮の住民4人が訪ねてきて、開城工業団地で生産した電気圧力炊飯器を安価で購入する意向があるかと持ち掛けてきたことがある」と話した。この消息筋は、「開城工業団地で生産したすべての製品には『MADE IN KOREA』の原産地表記がされている」と言い、「同じ韓国企業が中国山東省にある青島工場で生産すれば、『MADE IN CHINA』と表記されるので、中国人や北朝鮮住民の間では開城工業団地の製品がはるかに人気が高い」と話した。

RFAは、「韓国の一部では、開城工業団地の工場施設や製品がまだそのまま保管されているだろうと主張している人がいる」とし、「これは北朝鮮当局についてよく分かっていないためで、ただの希望事項に過ぎない」という脱北者・李某氏の話を伝えた。

遼寧省・丹東の消息筋は、5・24措置後、韓国人や韓国企業は北朝鮮での委託加工や製品の取引が不可能になり、韓国人たちが開拓した経済協力ルートが中国人たちのものになってしまったと訴えている。丹東にいる韓国人は、5・24措置後、3分の1以下に減ったという。

一方、中国が昨年の国連による2度目の対北朝鮮制裁決議(2270号と2321号)に積極的に参加しているという主張とは違って、中朝貿易は増え続けており、制裁効果は期待より低いレベルにどまっているという声が出ている。

韓国開発研究院(KDI)が5日に発表したところによると、昨年の中朝貿易は前年比7.3%増の58億2600万ドルだった。輸入は6.1%(26億3400万ドル)、輸出は8.3%(31億9200万ドル)が伸びた。ただし、今年は、北朝鮮の対中無煙炭輸出がクォーター(年間4億ドル)で決まっているため、北朝鮮の外貨収入は2015年より7億ドル程減少するだろうと研究院は予想している。



具滋龍 bonhong@donga.com · 朴熙昌 ramblas@donga.com