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「オランピア」と大統領風刺ヌード

Posted January. 25, 2017 08:48,   

Updated January. 25, 2017 08:50

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1865年5月、パリの王立絵画彫刻アカデミーのサロンで、1枚の裸婦画をめぐって騒動が起きた。毎日観客が押し寄せて大騒ぎとなった作品は、エドゥアール・マネの「オランピア」。今はテーマと技法の面で現代絵画の開始を知らせた傑作に挙げられるが、当時の熱気は大衆と評壇の否定的な反応から始まった。

◆「オランピア」は、画家ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」(1538)を再解釈した作品だ。マネは、ベッドに横たわる裸の主人公をヴィーナスから19世紀のパリの典型的な売春女性にかえた。古典画家の理想型とは全く異なる挑発的な裸婦、そのうえ全て脱いだ女性がきまり悪いほど観客をじっと見つめる点がセンセーションを巻き起こした。

◆マネの名作が韓国で注目を浴びている。発端は野党「共に民主党」の表蒼園(ピョ・チャンウォン)議員が議員会館で主催した時局批判の風刺展示会。「オランピア」をパロディにした絵だとし、朴槿恵(パク・クンへ)大統領の顔を合成した裸婦に注射器を持った崔順実(チェ・スンシル)被告とセウォル号が登場した「汚れた眠り」を展示した。「反女性的」、「人格殺人」と話題になり、絵を傷つける事態まで起こった。与野党問わず国会議員の逸脱に舌を打った。冷たい世論に共に民主党は24日、表氏を倫理委員会にかけることを決めた。

◆表氏は昨年の総選挙前、文在寅(ムン・ジェイン)前代表の「1号招聘者」として入党し、「文在寅キッズ」と呼ばれる。与党セヌリ党の河泰慶(ハ・テギョン)議員は24日、フェイスブックに、「これは性的暴行レベルだ」とし、「文氏が表氏に苦言を言うなら人気が上がるだろう」と書き込んだ。文氏が、「作品は芸術家の自由であり尊重されなければならないが、その作品が国会で政治家主催で展示されたことは適切でなかった」と述べ、「芸術では批判と風刺が重要だが、政治では品格と節制が重要だと考える」と遺憾を表明した。文氏にとって、朴大統領の義弟、申東旭(シン・ドンウク)氏の言葉は耳が痛いだろう。「文在寅キラーは申東旭ではない。潘基文(パン・ギムン)でもない、表蒼園だ」。

高美錫(コ・ミソク)論説委員mskoh119@donga.com