●代表が見せたシステムブックに心が動いた
廉氏の抜擢は、野球界では想定になかったサプライズカードだ。何よりもSKは昨季に、廉氏がネクセン監督在任中に「監督内定説」が流れたチームだ。「来年は、何がなんでも休む」と宣言した廉氏としては、自身の発言を覆してネクセン監督辞任3ヵ月での球界復帰となることにプレッシャーも少なくなかった。
そうしたプレッシャーにも廉氏が球団のオファーを受け入れたのは、「自分とSKが追求する野球の方向性が同じ」だと考えたからだ。「熟慮した結果だ」と切り出した廉氏は、「(お互い)合わないチームに行けば、チームに混乱をもたらすだけだ。何年か休むことがあっても、大事なのは自分とチームの相性が合うかだ。具体的なシステムが備えられているという面でSKを選んだ」と話した。「結局は自分の人生。自分がうまくできるだろうかに焦点を絞って選択した」とも話した。
球団の継続的な求愛も廉氏の決心を手伝った。昨年12月、廉氏と初めて会ったSKは、リュ・ジュンヨル代表取締役が現地の居住地を探そうと米国に渡った廉氏を直接訪ねるほど誠意を尽くした。
廉氏は、「リュ代表が直接持ってきたシステムブック(球団運営に関する数々のマニュアルを整理したもの)と数々の企画書を見て心が動いたのは事実だ。沢山の準備ができていた。文書に書かれている通りに実践すれば求める結果が得られると思った」と説明した。SKは団長としての責任と権限を最大限に保障するというレベルから廉氏と3年契約を結んだ。
●韓国ならではのシステム確立目指す
18日、球団フロントと初顔合わせをし団長としての公式業務を始める廉氏の目標は、「韓国ならではの、SKならではのシステムの確立」だ。廉氏は、「メジャーリーグのシステムが良く言われているが、世界最高の選手たちが集まるメジャーリーグと、潜在力のある選手を育てなければならない韓国とでは、置かれている環境が違う。良い選手も重要だが、良い選手を育てられる良い先生たちを生み出せるよう努力したい」と話した。
船出する廉京燁体制に球界の関心も熱い。廉氏がネクセンで育成システムを通じて多くの選手を育て上げただけに、SKのシステム野球とも相乗効果を作り出すだろう、との見方が出ている。
しかしMBC解説委員のホ・グヨン氏は、「システム野球は短期間で成果を出し難いことだが、成績への責任問題で既存のシステム設計者(ミン・ギョンサム前団長、キム・ヨンヒ前監督)が結果を見ることができなかたのは残念だ。ヒルマン監督と廉団長が選択したSKのシステムがどう変化するのか見守る必要がある」と話した。
姜泓求 windup@donga.com