28日、安倍晋三首相が米国のオバマ大統領と共に1941年に日本軍の真珠湾奇襲で沈没した戦艦アリゾナの真上に建設されたアリゾナ記念館を訪れた。日本の首相として記念館の訪問は初めて。27日には約5万3000人の戦死者が埋葬された国立太平洋記念墓地を訪れた。
安倍首相は28日、「日米が戦後和解して互いを助けあったように、世界中の人々が真珠湾を和解の象徴として記憶し続けてくれることを私は願います」と強調した。米国人にとって真珠湾は思い出したくもない深い傷だ。しかしオバマ大統領は、「戦争の傷は友情に変えられる。過去の敵が同盟になれる」と述べた。国際社会には永遠なる敵も友もなく冷酷な国家利益があるだけだ。安倍首相の今回の訪問は、5月にオバマ大統領が原爆被爆地の広島を訪問にしたことへの答礼だ。日本は日米同盟の強化を再確認し、自衛隊の役割拡大を狙う現実主義外交を行っている。
米国の大統領選でトランプ氏が当選したほか、中国の海洋進出、ロシアの勢力拡大など北東アジア情勢は急変している。執権5年目の安倍首相は、来年の政策優先順位を経済から外交に移している。この3ヵ月間、ロシアのプーチン大統領を含め15ヵ国の首脳を招待し、来年1月には米国とロシア訪問も計画している。韓国だけが孤立したかたちだ。
日米新蜜月は、国際政治で敵と友を分ける基準が過去でなく現在ということを示す。韓半島をめぐる現実を考えれば、日米と未来指向的パートナーシップを一層強化しなければならない状況で、与野党の主な大統領候補は韓日慰安婦合意の再協議を主張している。合意内容に満足できなくても、国家間で結んだ外交安保の約束を使い古した履物のように扱えば、国の品格と信頼が失墜するほかない。
日・米・中・露が鋭く対立する「新冷戦」の角逐場と化した北東アジアで、韓米日三角安保協力体制がいつになく重要になっている。「慰安婦合意」が最上でなくても、単なる過去の清算を越えてより良い未来に進むための転機にしなければならない。日本の政治家も合意の真正性を疑わせる言動は控えなければならない。
허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com