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[社説]左であれ右であれ「文化界ブラックリスト」は権力の文化弾圧だ

[社説]左であれ右であれ「文化界ブラックリスト」は権力の文化弾圧だ

Posted December. 28, 2016 08:24,   

Updated December. 28, 2016 08:27

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これまで疑惑が提起された「文化界ブラックリス」の実体が現われた。東亜(トンア)日報の報道によると、朴英洙(パク・ヨンス)特別検察官(特検)チームは、金淇春(キム・ギチュン)前秘書室長の主導で大統領政務首席室が作成し、文化体育観光部が管理したリストの一部を見つけ、崔順実(チェ・スンシル)被告がその背後にいるという証拠を確保した。ブラックリスト対象者への予算を遮断し、崔被告が自分の事業に投じるようにしたということだ。劉震竜(ユ・ジンリョン)元文化体育観光部長官も27日、ラジオ番組でのインタビューで、「退任直前の2014年6月、ブラックリストを直接見た」と話した。9月初めに文化体育観光部長官に任命された趙允旋(チョ・ユンソン)長官はブラックリストを見たことも作成したこともないと否定したが、特検チームの捜査で真実がはっきりするだろう。

ブラックリストが確認され、文化界の検閲と弾圧を行った「維新独裁の亡霊」が想起される。今年10月にメディアを通じて公開されたブラックリストには、大統領選当時、文在寅(ムン・ジェイン)候補の支持者や朴元淳(パク・ウォンスン)候補など9473人の名前がある。現政権のセウォル号の対処に批判的な人まで1万人近くブラックリストに含まれているとはとんでもないことだ。

歴史の時計の針を維新時代に戻したブラックリストの復活には、金前室長の影がちらつく。劉元長官はインタビューで、「合理的に疑いを持つなら、金淇春秘書室長がブラックリストの作成を主導したと見なければならない」とし、「これが本当に大統領の意思なのか、金淇春室長のいたずらなのか、特検ではっきりさせなければならない」と言ったことは意味深い。故金英漢(キム・ヨンハン)元民政首席秘書官の業務日誌(いわゆる「備忘録」)でも、金前室長は「文化芸術界の左派の策動に闘争的に対応しなければならない」と大統領府参謀陣に指示したという。「公安通」だった金前室長が時代錯誤の思考から抜け出せなかったことを示す証拠だ。

2014年の光州(クァンジュ)ヴィエンナーレで波紋を呼んだ洪性淡(ホン・ソンダン)氏の「セウォル オウォル」のように過度な政治偏向性を表現した作品まで国民の税金を投じて支援することは再考しなければならない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の時はコードに合う左派の文化芸術家を集中的に支援し、保守指向の芸術家を差別することで文化界の土壌を荒廃させた。左であれ右であれ理念基準で文化芸術を揺さぶり、文化人を政権の好みで統制しようとすることは望ましくない。どんな理由であれ、文化の多様性を傷つけて芸術家の活動を制約することは、権威主義国家への退行であることを肝に銘じなければならない。



고미석기자 コ・ミソク記者 mskoh119@donga.com