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「偽ニュース」の拡散に要注意

Posted December. 24, 2016 08:11,   

Updated December. 24, 2016 08:33

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来年に大統領選を控えた韓国政界で、「偽ニュース」が横行する兆しが現れている。偽ニュースが本物のように言及されて波紋を起こしているうえ、政治家の発言が歪曲され、悪意の偽記事と単なる誤報の境界があいまいになっている。

先日、ソーシャル・メディアには米国のトランプ次期大統領が「『女性大統領の未来を尋ねられたら、顔を上げて韓国を見せろ』と話した」という偽ニュースが広まった。トランプ氏が民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン氏を崔順実(チェ・スンシル)国政介入事件で非難を受ける朴槿恵(パク・クンへ)大統領にたとえたということだ。

このニュースは偽りであることが判明した。あるフェイスブック利用者が、「祖国への道を聞かれたら、顔を上げて冠岳(クァンアク)を見せろ」という鄭喜成(チョン・ヒソン)詩人の詩をパロディにして作った典型的な偽の記事だった。人々はコメディで載せた写真や書き込みを事実と信じ、一部のメディアは確認もせずに報道して拡散させた。先月、野党「共に民主党」の尹昊重(ユン・ホジュン)政策委議長がこの内容を言及し、後で訂正するハプニングも起こった。

2日、ある有名なネットコミュニティに掲載された内容も偽ニュースの拡大を予告する。先月22日、与党セヌリ党を離党した金容兌(キム・ヨンテ)議員が番組のインタビューで、「大統領選が近づけば、セヌリ党が『共に民主党』の文在寅(ムン・ジェイン)前代表の執権を阻止するために『国民の党』と合党するというのが政界内の公然の秘密」と明らかにしたという内容だった。書き込んだ人は、「金議員が『国民の党がセヌリ党と協力して弾劾に反対する』と言った」と付け加えた。しかし、これは事実ではなかった。

「ファクト」のように見えたこの買い込みは、バタフライ効果のような波紋を呼んだ。数十の報道機関がこの内容をそのまま引用した。国民の党は翌日、論評で金議員を非難した。後で事態を知った金議員は当惑した。

金議員は当時、「弾劾に関連して、国民の党の朴智元(パク・チウォン)非常対策委員長が長引かせるのではないか」というあるメディアの質問に、「セヌリ党と国民の党は立場が違うように見えるが、来年、大統領選局面に入れば、共に民主党、特に文在寅前代表の執権を阻止することで利害が一致しているのではないか」とし、「そのような意味で言っただけだ」と話した。これに対して書き込みをした人は、両党が合党すると断定して書き、多くの報道機関までこれをそのまま引用して報道した。

金議員は22日、東亜(トンア)日報の電話取材に対して、「虚偽記事を訂正するのにも時間がかかった」とため息をついた。そして、「事実を装った内容が拡大・再生産され、ただ見ているしかなかった。まだ受けたダメージが回復できていない」と話した。



申晋宇 niceshin@donga.com