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[オピニオン]弾エク(防弾少年団とエクソ)の戦い

[オピニオン]弾エク(防弾少年団とエクソ)の戦い

Posted December. 06, 2016 08:42,   

Updated December. 06, 2016 08:43

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今年で第8回目を迎えた2016MAMA(エムネットアジアミュージックアワード)の話題は、「今年の歌手賞」を受賞したボーイズグループ「防弾少年団(BTS)」の涙だった。リーダーであるラップモンスターが、「駄目だと言われた方々も大勢いたが、我々を信じてくださった方々に感謝する」と述べる間、メンバーたちはこぶしで涙を拭った。BTSは、ファンクラブ「アーミー(ARMY)」に対して、繰り返し感謝するという挨拶をした。彼らにどんなことがあったのだろうか。

◆同じ時間、エクソ(EXO)のファンクラブ「エクソエル(EXO-L)」の方では嘆息が流れ出た。エクソもそうそうたる候補らを抜いて、「今年のアルバム賞」を含め4冠王に立ったが、ファンたちはBTSの受賞を受け入れがたいという空気だった。「うちのお兄さんたちが、BTSなんかに今年の歌手賞を取られるなんて…」。エクソのマニアである小学生の姪がうっぷんを吐き出す間、BTSファンである隣の女子高生は、「私たちがどれほど弾圧をうけたのか…うちのお兄さんたちはデマや悪意的書き込みにも屈せず、やり遂げた」と、涙を流した。

◆歌やダンス、容姿、パフォーマンス。芸能事務所が作り出したアイドルグループの競争力こそ、文句のつけようがないが、昨今のKポップの全盛期を作り出した原動力は、アイドル文化を消費するファンダムといえる。ティーンエイジャーが柱となっているマニアの声援や凝集力は想像を絶する。2008年のBSE(狂牛病)ろうそく集会も、「BSE牛肉を食べて、お兄さんたちの脳に穴が開くかもしれない」と、街に出てきた東方神起のファンクラブがその発端となった。世界が不思議がる韓国的現象といえる。

◆アイドルを盲目的に追従し、過ちを庇い、応援競争をすることまでは、ストレスに苦しんでいる青少年の下位文化として理解できる。しかし、好きなアイドルを応援することを超えて、ほかの歌手を攻撃し、誰のファンかによって敵味方を分け、いじめが蔓延するのは気になることだ。大人たちの間で、追及するイデオロギーや支持する政党が異なれば、お互いに口も交わせず、食事も一緒にしない現象が、子供たちの世界で起きているのだ。弾劾政局の裏で繰り広げられる「弾エク戦い」現象とその意味合いに注目する必要があるだろう。我々には、他人の趣向までを批判する権利はない。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com