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欧州を襲った「イテグジット」恐怖

Posted December. 06, 2016 08:42,   

Updated December. 06, 2016 08:44

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イタリアのレンツィ首相が推進した改憲案がポピュリズム(人気迎合主義)政党の反対で国民投票で否決され、欧州連合(EU)が不確実性の時代に入った。親EUのレンツィ首相が改憲案否決の責任を負って辞任を明らかにし、「イテグジット(Itexit・イタリアのEU離脱)」の可能性が高まった。

中道左派である民主党のレンツィ首相が、政治の高コスト低効率の問題を解消するために上院議員の数を減らすことを骨子とした改憲案は、4日(現地時間)に実施された国民投票で反対59.1%、賛成40.9%で否決された。

 

レンツィ首相は「私が負けた。5日に閣議を招集して直ちに大統領に辞職願を提出する」と明らかにした。レンツィ首相が2014年2月に史上最年少首相として就任し、2年9ヵ月での辞任だ。

今年6月、「ブレクジット」(英国のEU離脱)を生んだ国家主義と孤立主義のポピュリズムブームは、11月の米国のトランプ氏の大統領当選に続きイタリアまで飲み込み、欧州全域にドミノ現象が起きるのではないかという憂慮が広まっている。来年のイタリア早期総選挙では、反EUの先鋒に立った極左政党「五つ星運動」の政権獲得が有力だ。支持率3位の極右指向「北部同盟」も、ユーロ圏離脱を主張している。今回のことで来年に相次いで実施されるフランス、ドイツ、オランダの大統領選挙と総選挙でも、反EUのポピュリズム政党が力を得ることになった。

EU3位の規模の経済大国であるイタリアの混乱で、通貨ユーロは20ヵ月ぶりに最低値となった。経営悪化のイタリア銀行の連鎖倒産を憂慮する声も高まっている。

同日行われたオーストリア大統領選挙では、難民保護を訴える無所属のアレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏が53.3%を得て、「オーストリアのトランプ」ノルベルト・ホーファー氏(46.7%)に勝った。第2次世界大戦後、欧州初の極右大統領の出現は失敗に終わった。



董正民 ditto@donga.com