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京都大ノーベル賞8人は自由討論の力

Posted December. 02, 2016 08:30,   

Updated December. 02, 2016 08:30

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「アジア各国を訪れると、『どうすればノーベル賞受賞者をたくさん輩出できるのか』という質問を受けます。何よりも創造性豊かな研究者を育てる環境づくりが重要だと答えます」

京都大学の山極寿一総長は先月29日、大学本部で行われた東亜(トンア)日報などメディアとのインタビューで、「基礎科学をしっかり研究する科学者を育て、教授と学生が自由に討論する場を作ること」をノーベル賞受賞者輩出の秘訣に挙げた。京大はこれまで8人のノーベル賞受賞者を輩出した。東京大学(9人)よりは少ないが、自然科学分野に関する限り8人対6人で京大がリードしている。

山極氏は「京大には常識を疑って最後まで確認し、真理を究明する学問風土がある」とし、「討論で誰が正しいかを競うことよりも、討論の過程で新しい意見が出て討論者自らが変わることに高い価値を置く」と強調した。

京大の研究風土は定評がある。日本経済新聞は先月、「東大時代の研究の成果でノーベル賞を受賞した人は意外と少ない」とし、一方で「京大の場合は他大学の出身でありながら、ここでの成果を研究の基盤とするノーベル賞受賞者も少なくない」と報じた。

山極氏は独自の用語と思考の重要性も強調した。彼は、「国際化と言うが、日本語で考えることは依然として重要だ。独自の用語で考える力が生まれるためだ」と指摘した。そして、京大の重点研究分野の一つである「物性物理学」を例に挙げ、「『物性』という言葉は英語で翻訳することが難しい。いわば物体の質的な属性を考える物理学だが、この名称の学問は日本のほかにはない」と説明した。このような独自の風土から、湯川秀樹(948年)、朝永振一郎(1965年)、益川敏英(2008年)といったノーベル物理学賞受賞者が輩出されたのだ。山極氏は、「京大には世界にない学問を作ってきた歴史がある」と自負した。

山極氏は、日本国内から「ゴリラ教授」と呼ばれる霊長類学の世界的な学者だ。彼は「京大の強みはアジア、アフリカに多くの拠点を持っているということ」とし、現場研究の重要性を強調した。

山極氏は「私も研究のためにゴリラをストーカーのように追いかけたが、群れの中に自然に入るだけで5年かかった。これまで頭を5回、足を17回噛まれ、大ケガもした」と話した。そして、「それぐらいの覚悟がなければ、他人と違ったことは発見できない」と強調した。



張源宰 peacechaos@donga.com