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[オピニオン]スマート・マリンランチング

[オピニオン]スマート・マリンランチング

Posted November. 12, 2016 09:16,   

Updated November. 12, 2016 09:17

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2000年の米大統領選で共和党のブッシュ氏が民主党のゴア氏に辛勝した時、金大中(キム・デジュン)大統領は米国の政権交代が韓半島に及ぼす影響の大きさを予測できなかった。ブッシュ氏にも前任のビル・クリントン氏のように「太陽政策」を支持するよう説得しようと首脳会談を急いだ。ブッシュ氏がどんな人なのか、どんな考えなのか知らずに。

2001年1月25日、ブッシュ大統領がホワイトハウスから電話をかけてきた時、金大統領は北朝鮮に対する包容の必要性を説明した。するとブッシュ大統領は、受話器を手で押さえて、隣にいたチャールズ・プリチャード補佐官(アジア担当)に尋ねた。「この人は誰か(Who is this guy?) こんなにナイーブでは信じられない」。プリチャード氏が回顧録などで明らかにした秘話だ。

より大きな災いは、3月8日にワシントンで開かれた初の首脳会談だった。共同記者会見でブッシュ大統領は、「私は北朝鮮指導者に疑念を抱いている」と深い不信を示し、金大統領の返事を遮った。金大統領を「This man」と呼んだことは外交的欠礼論議を触発した。韓国語で「この人」程度の表現をブッシュ大統領が意図的に言ったのか憶測が飛び交った。金大統領は後日、自叙伝で「親近感を示したというが非常に不愉快だった。・・・平素は年齢を問わないが、そんなことを言われると、彼が息子ほどだという思いがした」と述懐した。

米紙ニューヨーク・タイムズが「金大統領に対する政治的ダメージ」と評すほど韓米の見解の相違だけが浮き彫りになった外交惨事となったのは、ブッシュ政府が韓半島政策を整理する前に韓国があまりにも急いだためでもある。パウエル国務長官が首脳会談の前日、クリントン政府の対北朝鮮ミサイル交渉を継承する考えだと言い、ブッシュ大統領の強い叱責を受けて発言を変えたことは象徴的な事件だ。ブッシュ政府が北朝鮮政策の検討を終えて北朝鮮と真剣な対話を模索したのは約1年後の2002年の夏だが、北朝鮮がプルトニウムに続きウランを利用した核開発に乗り出し、米朝関係はクリントン時代に戻ることができなかった。

朴槿恵(パク・クンへ)大統領が10日、ドナルド・トランプ次期大統領との電話会談で早い時期の訪韓を要請した。安倍晋三首相が17日に素早くトランプ氏に会うので、韓国も会談を急がなければならないという指摘が力を得ている。しかし重要なことは早く会うことではなく、会談の結果が成功的になるよう緻密に準備することだ。在韓米軍駐留経費の負担金、韓米自由貿易協定(FTA)再協議などトランプ氏が突きつけるリストに対して、韓国の立場を納得させる精巧な論理をまず講じなければならない。

トランプ政府の新しい外交安保ラインが北朝鮮政策を韓国と協議するには、現実的に時間が必要だ。その間に北朝鮮制裁と圧迫の動力が落ちるかもしれないが、だからといってトランプ政府がオバマ政府の政策を踏襲したり韓国が望むことだけするはずもない。16年前の米国の政権交代期に韓国外交が性急なあまり犯した失敗を繰り返してはならない。何よりビジネスマインドを持つトランプ氏に朴大統領が信頼して取り引きするほどのパートナーであることを認識させることが重要だ。しかし、今の朴大統領がそのような準備ができているのだろうか。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com