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ドゥテルテ大統領、突然の「脱米親中」に驚く米

ドゥテルテ大統領、突然の「脱米親中」に驚く米

Posted October. 22, 2016 08:13,   

Updated October. 22, 2016 08:28

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フィリピンのドゥテルテ大統領の突然の「脱米親中」行動に驚いた米国が、ラッセル国務部次官補(東アジア・太平洋担当)をフィリピンに派遣することを決めた。中国を国賓訪問中のドゥテルテ大統領が20日、中国の習近平国家主席と会って米国との事実上の決別宣言をすると、これまで状況を注視していた米国が慌ててフィリピン指導部の真意を確認するために動き出したのだ。

カービー国務省報道官は20日、記者団に対して、ドゥテルテ大統領の「米国との決別」発言について、「米国とフィリピンは切っても切れないほど結びついているので、決別が正確に何を意味するのか分からない」と話した。国務省は、決別発言の意味を把握するために22日に東アジア政策を総括するラッセル次官補をフィリピンに送り、状況を把握する。

ドゥテルテ大統領は20日、中国とフィリピンの企業家が参加した中、開かれた貿易投資フォーラムで、「米国との決別を宣言する」と述べた。前日の海外同胞懇談会で米国に対して「もうお別れしなければならない時」と発言したより踏み込んだ表現だ。ドゥテルテ大統領は20日、中国の張高麗第一副首相が出席した行事では、オバマ大統領のことをまたも「売春婦の息子」と暴言を吐いた。

フィリピンの決別通知で、南シナ海問題で中国と対立している米国は、「アジア再均衡政策」の一軸が揺れる状況に直面した。フィリピンは、韓国、日本と共にアジアの重要な同盟国だ。米政府当局者は、「米国にとって、ドゥテルテ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長のように頭の痛い存在だ」と話した。

6月に退任したアキノ前大統領の親米路線を180度ひっくり返したドゥテルテ大統領の「脱米親中」戦略は、習近平体制の中国で得るものが大きいという判断によるとみえる。任期初期のドゥテルテ大統領が、公権力を使った麻薬犯罪者の掃討で支持率が高い状況で、国内基盤を堅固にするために中国の経済協力を狙う「選択と集中」をしたということだ。習主席は南シナ海問題を対話で解決しようと呼びかけてドゥテルテ大統領と合意し、その見返りにフィリピンに高速鉄道事業をはじめとするインフラ、エネルギー、金融通信などの分野で135億ドル(約15兆2000億ウォン)を投資するプレゼントを贈った。

しかし、ドゥテルテ大統領の行動にフィリピン内でも批判が起きている。21日、インクワイアーなど現地メディアによると、フィリピンのリチャード・ゴードン上院議員は、「米国との決別に同意することはできない。いくつかを得るために長年の友人と決別することは近視眼的だ」と述べた。最大野党の自由党(LP)所属のエドゥセル・レグマン下院議員は、「フィリピンは伝統的に経済・安全保障の友好国である米国との関係を完全に断つことはできない」と強調した。フィリピン軍部も、ドゥテルテ大統領が伝統的な友好国である米国に反対する態度に厳しい視線を送っている。

英紙フィナンシャル・タイムズは21日、社説で、ドゥテルテ大統領の発言は根本的な戦略的地形を反転させるというよりも、米国と中国の間で波乗りをしていると分析した。社説は、「ドゥテルテ大統領の行動は、米国が決して同盟国であるフィリピンを捨てることができないという考えに基づいているとみえるが、米中緊張が高まる場合、ドゥテルテ大統領は不利になるだろう」と警告した。

ワシントン=イ・スンホン特派員 北京=ク・ジャリョン特派員



워싱턴=이승헌 특파원ddr@donga.com · 베이징=구자룡특파원  bonhong@donga.com