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[社説]「戦争より悪い平和が良い」という文在寅氏の安保思想が不安だ

[社説]「戦争より悪い平和が良い」という文在寅氏の安保思想が不安だ

Posted October. 17, 2016 08:52,   

Updated October. 17, 2016 08:53

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野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が、「宋旻淳回顧録波紋」について15日、フェイスブックに書き込み、「全てのことを話し合いで決めた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府こそ健全な政府だった」とし、「盧武鉉政府から学ばなければならない」と主張した。核心は、国連の北朝鮮人権決議案という重大な人権問題が加害者である北朝鮮に聞いて盧武鉉政府が「棄権」を決めたということだ。文氏が突然、大統領府の意志決定システムを取り上げたことは、論旨から離れ本質を避けた詭弁だ。

盧政府時代、大統領府参謀と長官の中に親北朝鮮が多かったというのは世間が知っていることだ。金万福(キム・マンボク)国家情報院長は2007年の首脳会談の時、金正日(キム・ジョンイル)総書記に腰を90度にまげて挨拶し、韓国軍が射撃訓練を継続するため北朝鮮が延坪島(ヨンピョンド)に砲弾を撃ったと日本の雑誌に書いた人物だ。李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官は、「金日成(キム・イルソン)主席の韓国への侵略規定は不適切だ」、「北朝鮮の人権蹂躙は明確な根拠がない」と発言をした。参謀の安保観、対北朝鮮観が歪んでいるのに、話し合いを多くして何の意味があるのか。

盧前大統領は、「北朝鮮に聞かずに賛成するべきだった」と後悔したという。当時、大統領秘書室長だった文氏をはじめ参謀は大統領を誤って補佐した責任が大きい。回顧録には、2007年の南北首脳会談後に発表された10・4共同宣言に、問題の素地がある「3者または4者首脳の韓国戦争終戦宣言」という文案も北朝鮮の要求で入ったという内容もある。

 

文氏は、「戦争より悪い平和に価値を置く」と述べた。全世界どの歴史にも無力な国が平和を無償で得たことはない。金大中(キム・デジュン)・盧武鉉政府が10年間太陽政策を展開したにもかかわらず、北朝鮮は上着を脱ぐどころか対韓赤化の野心を露わにし、核ミサイル開発に邁進した。5回目の核実験まで終えた北朝鮮は、国際社会の強力な制裁と非難、さらに先制打撃論が公然と出てくる状況でも、15日、ムスダンを発射した。6回目、7回目の核実験まで計画しているという。にもかかわらず、文氏をはじめ「共に民主党」は11年間、北朝鮮人権法通過に反対し、北朝鮮の核ミサイル開発を非難するよりも「南北対話」云々し、対政府攻撃に熱を上げた。

今、文氏と「共に民主党」周辺にも懸念される対北朝鮮観、安保観を持つ人が一人や二人ではない。大統領になるという文氏の安保思想を問うことをめぐって、「理念論争」云々するのも行き過ぎる。国民は、2007年当時だけでなく今の文氏の対北朝鮮観がどうなのか知りたい。文氏と「共に民主党」が政権交代を望むなら、北朝鮮人権改善はもとより北朝鮮核の対応に向けた具体的な案を提示し、国民の評価を受けなければならない。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com