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[社説]3年連続ノーベル科学賞を出した日本に韓国が追いつけない理由

[社説]3年連続ノーベル科学賞を出した日本に韓国が追いつけない理由

Posted October. 05, 2016 09:08,   

Updated October. 05, 2016 09:20

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3日、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、2016ノーベル生理学医学賞を受賞し、日本が3年連続でノーベル賞を受賞した。1970年代半ば、「オートファージ(autophagy・自家飽食)」研究を始めて50年、一つの井戸を掘った大隅氏の研究は、パーキンソン、アルツハイマー病、各種老化治療剤の開発に幅広く活用されている。日本人ノーベル賞受賞者は25人で、2001年以降、自然科学部門だけで米国に次ぎ2位(22人)だ。

世界が賛辞を送る日本科学技術の底力を目の当たりにし、韓国の現実はみすぼらしい。世界1、2位を争う研究開発予算だと自画自賛する政府と科学界は恥じを知らなければならない。ついに科学者の集団行動まで立ち上がった。先月26日、国内の著名な科学者40人は、研究開発(R&D)支援が短期の成果にだけ集中し、政府が命じる課題が大半だとし、改革を求める集団請願を出した。3月、国内の理工系を代表する5大学の研究部総長が、短期の成果を重視する政府のR&D支援評価方式の改善を求めたのと同じ脈絡だ。

大隅教授は、「基礎研究をする若者を支援するシステムを作ることに貢献したい」と話した。通常、ノーベル賞受賞者は30代の時に書いた論文がその後、約数十年間引用され、60代に受賞する。日本政府は、今年から5年間、国内総生産(GDP)の1%である26兆ウォンを若い研究者の支援に使うと発表した。米国や英国も、アイディアと情熱を持つ若い科学者支援に研究開発予算を集中させている。

国内の場合、40才以下の研究者の数は全体の21%だが、研究費は7%しかない。研究課題評価も学縁と地縁中心で10年の長期課題も5年が経てば技術移転、実用化の要求が強く、大きな成果を出すことは難しい。ネイチャーも指摘したが、韓国は位階秩序が支配する研究室で研究者間に討論がなく、縦割り研究文化も依然として残っている。ノーベル賞の季節が近づくたびに焦り、隣の宴をうらやむのではなく、R&D支援方式を革命的に改革しなければならない。

大隅教授は、「細胞内のごみ箱」という誰も注目しなかった突然変異酵母の研究を始め、「誰もしない事をする、科学者としてそれが楽しみ」と話した。若者たちには、「科学はすべて成功するわけではないが、挑戦することが重要だ」と述べた。流行に振り回されず、黙々と一つの井戸を掘れという助言を韓国の科学者も肝に銘じなければならない。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com