Go to contents

[オピニオン]ニューデリーで見た北朝鮮の核実験

[オピニオン]ニューデリーで見た北朝鮮の核実験

Posted September. 30, 2016 09:05,   

Updated September. 30, 2016 09:09

한국어

今月9日、北朝鮮が5回目の核実験を強行した時、私はインドのニューデリーにいた。米東西センターの主催で8~12日に開かれた国際ジャーナリスト大会に参加するためだった。全世界から来たジャーナリスト350人余りは9日午前、伝えられた北朝鮮の核実験について意見を交わすことに余念がなかった。大会には「外国ジャーナリストの目で見た隠遁の国、北朝鮮」をテーマにした討論も予定されていたので関心が増した。

しかし、ジャーナリストたちは5回目の核実験の規模、核爆弾の種類といった技術的な点については興味を示さなかった。自分たちのいるインドと隣国パキスタンがいずれも5、6回核実験をした核保有国なのにだ。その代わり、△なぜ北朝鮮制裁は十分に作動しないのか、△一体北朝鮮はどこに向かって行くのか、について質問した。すると、「北朝鮮を悪魔と描いてきただけだ。ちゃんと分析することも実体を見ることもできなかったのではないか」という指摘に接し、ドキッとした。

 

ジャーナリストが討論で発表した内容も、「私たちは北朝鮮を知らなさすぎた」という点に集中した。北朝鮮に対して最も多くの記事を書く韓国のジャーナリストだが、いざ北朝鮮について直接見聞きするのは外国のジャーナリストに及ばないことが多いためだ。多くの北朝鮮記事が、「北朝鮮消息筋」という名前で提供された一方的な主張を検証できないまま伝えることに汲々としたことも現実だ。

会議に参加したシンガポールのジャーナリストは、食事の席で最近北朝鮮で手に入れたと言って、「中国輸出専用の北朝鮮切手シート」を一つ渡した。情報価値が大きくはないが、北朝鮮の生活像、米朝関係の裏を見ることができる興味深い資料だった。このような物を簡単にくれていいのかと尋ねたが「私の家にはこれよりすごいものが多い。一緒に発表した記念にもらってくれ」と気兼ねなく言った。韓国で手に入れるにはかなりの費用と努力が必要な北朝鮮の品物を外国のジャーナリストが記念品としてばら撒くと考えると、有難くもあるが虚しかった。

北朝鮮が現在どんな状態で今後どんな姿に変わって行くのか誰も自信をもって言うことはできないだろう。「金正恩(キム・ジョンウン)政権後、北朝鮮社会は躍動的、開放的に変わり、経済も良くなった」と主張した中国のジャーナリストのように今後も同じ現象に対して正反対に解釈することが続くだろう。

しかし、明らかな事実は、今の傾向なら、私たちは遠からず6回目の核実験か実際の核武装した北朝鮮を見ることになるという点だ。

北朝鮮の核開発の進展を目撃しないようにするなら、今は興奮してはならない。冷静に振り返って何が誤ったのか、何ができるのか考えなければならない。にもかかわらず、政府・与党は北朝鮮制裁・圧迫強化を、進歩陣営は政府の政策失敗を主張するだけで、どちらも「北朝鮮を正確に診断できなかった」と認めていない。なぜ韓国は米国のペリー・レポートやアーミテージ・レポートといった超党派の政策レビューが作れないのか。もどかしさを越えて無気力さを感じる時間だけがとめどなく流れている。



조숭호기자 チョ・スンホ記者 shcho@donga.com