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[社説]北朝鮮を庇護した中国、習近平主席は北東アジアの核の嵐を直視せよ

[社説]北朝鮮を庇護した中国、習近平主席は北東アジアの核の嵐を直視せよ

Posted September. 10, 2016 07:10,   

Updated September. 10, 2016 07:57

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北朝鮮の奇襲的な5回目の核実験に対して、中国外交部は、「私たちは朝鮮が非核化の約束を守って国連安全保障理事会の決議を順守し、状況を悪化させるいかなる行動も中止することを強く求める」と声明を発表した。中国が北朝鮮の核実験に対応して「安保理決議順守」を求めたのは初めて。しかし、華春瑩・外交部報道官は、定例会見で、「中国は対話と交渉を通じて6者協議の枠組みで関連問題を解決する」という従来の立場をオウムのように繰り返した。

このように及び腰の中国の声明や会見を見れば、北朝鮮がどんな挑発をしても、中国は国連安保理常任理事国として北朝鮮制裁に参加するものの、核を放棄させる強力な制裁はしないことは確実だ。中国は今年3月に国連の北朝鮮制裁決議案を出した後も、北朝鮮制裁は北朝鮮の核・ミサイルに限定されるべきであり、米朝平和協定を締結することを強調した。国連安保理が追加制裁をするとしても、効果は北朝鮮の最大貿易国であり外交的防壁である中国にかかっている。中国が北朝鮮の主な輸出品である石炭の輸入を禁止し、原油供給を断ち、国連が禁止した物品が北朝鮮に渡らないよう実効的な措置を取らない限り、国連制裁を効果を出すことは難しい。

国連安保理による国際制裁と米国、韓国の単独制裁は、北朝鮮の経済活動の10~20%しか影響を与えることができないと見られている。北朝鮮の経済を締めつける全面制裁でなければ、北は決して核をあきらめないだろう。

中国は6月、国連安保理に提出した北朝鮮制裁決議案履行の報告書に「韓半島の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備反対」意見を表明するなど、意図的に北朝鮮の核とTHAADを同レベルで扱っている。中国は、米国の対中包囲戦略を牽制するうえで、北朝鮮を放棄できない緩衝地帯と見ている。北朝鮮の核の脅威に対抗して日米韓3国の軍事安保協力体制が強化されれば、中国は北朝鮮の地政学的価値を一層重視しようとするだろう。

今や中国こそ北朝鮮の実体を正確に見る時だ。習近平主席は国連制裁が行われていた6月1日、北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)特使に会い、北朝鮮との関係回復モードに転換したが、習主席が北朝鮮の核を容認しない考えを明らかにした杭州の20カ国・地域(G20)首脳会議で、金正恩委員長はこれ見よがしにミサイル3発を発射した。北朝鮮は中国の戦略的資産ではなく疫病神だ。

習主席は、THAAD反対を叫ぶ前に北東アジアの平和を脅かし、緊張を高める核心原因である北朝鮮の核を先に阻止しなければならない。それが、中国が推進する新型の大国関係と「一帯一路」(21世紀陸上と海上シルクロード)戦略にも役に立つ。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説 angelhuh@donga.com