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[オピニオン]江南パッチの嫉妬の心理

Posted September. 01, 2016 07:45,   

Updated September. 01, 2016 08:36

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身元暴露サイトである「江南(カンナム)パッチ」と「ハンナムパッチ」の運営者が警察に逮捕された。逮捕されたのは意外にも20代の女性たちだった。江南パッチはインスタグラムに芸能人やスポーツ界の関係者を含め、100人もの名前や身元を公開し、彼らが風俗店の従事者や整形中毒者だと暴露して、オンライン上の世界を騒がせた。江南パッチという名は、「江南」に暴露専門芸能媒体である「ディスパッチ」を合成した造語だという。書き込みには虚偽の内容が多く、罪のない被害者が続出した。

◆江南パッチの運営者の犯行動機は、妬みから始まった。クラブに出入りしながらたまたま知り合いとなった中堅企業会長の孫の女性に妬みと共に、相対的な剥奪感を感じて、クラブで耳にした噂を基に、その女性を貶める書き込みを掲載したのがその始まりだった。被害者からの通報で、アカウントが閉鎖されると、30数回もアカウントを変えながら、流布を続ける執拗さを見せた。インスタグラムのサーバーが外国にあるので、警察の捜査力が及ばないだろうと信じていたから、なおさらそうしたという。

◆キリスト教では、7大悪に含まれているが、嫉妬とは自然な感情だ。嫉妬は、比較から始まるものなので、相手がいなければならない。比較対象は所有物であれ、才能であれ、容姿であれ本人が物足りなさを感じることだ。江南パッチの運営者がねたんだのは、相手の「金の匙」の身分だった。努力で手にできるものなら、なんとかやってみようと思うだろうが、中堅企業会長の孫という地位は、それができないから妬みが込み上げてきたようだ。

◆とある嫉妬心は、達成のためのエンジンになるが、妬む相手に被害を与えるケースも多い。刑事処罰を受けた人4人中1人の割合で、嫉妬が犯行に影響を及ぼしたという統計がある。特に、女性がその傾向にある。ただ、わからないのは、嫉妬というものは、その大半が自分と身近な人が対象で起きるのだが、今回の場合は、クラブでの偶然の出会いから発生したという点が特異である。たぶん、ソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて日常のことを自慢する文化が、比較の対象やその範囲を広めたような気がする。20代の女性、江南クラブ、整形手術、身元暴露。俗物化した世間の一断面を見ているような気がして後味が悪い。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com