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[オピニオン]原子力潜水艦を取り巻く軍備競争

[オピニオン]原子力潜水艦を取り巻く軍備競争

Posted August. 27, 2016 07:07,   

Updated August. 27, 2016 09:01

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1982年のフォークランド戦争で、英国の原子力潜水艦5隻が1万4400キロ離れたフォークランドに向かって出港した。潜水艦戦団は20ノットの速度で2週間で目的地に到着した。このうち1隻がアルゼンチンの巡洋艦「ヘネラル・ベルグラノ」を魚雷2発で撃沈し、戦争の勝機をつかんだ。その頃になって遅れてディーゼル潜水艦も海域に到着した。原子力潜水艦と同時に出発して最大速力を出したが、5週間もかかった。フォークランド戦争後、英国はディーゼル潜水艦をすべて退役させた。

◆原子炉で動力を得る原子力潜水艦は、米国やロシアのように90%濃縮したウランを利用すれば潜水艦の寿命が終わるまで使える。力があるため艦体も大きくなり、米国最大の原子力潜水艦オハイオ級は1万6000トンを超える。韓国海軍が4年後に実戦配備する張保皐(チャン・ボゴ)Ⅲは3000トン級。ディーゼル潜水艦は燃料を燃やす時に酸素が必要で、周期的に海上に出なければならないが、原子力潜水艦はその必要がなく隠密性と機動性が優れる。乗組員の酸素は海水を電気分解して得る。

◆核弾頭が搭載された潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や巡航ミサイルを垂直発射台に装着した原子力潜水艦は「戦略原子力潜水艦(SSBN)」と呼ばれる。地球で核戦争が起これば、陸上は核の灰の地獄と化す。しかし、海中の戦略原子力潜水艦は人類の生存拠点となる。地上または空中発射の核ミサイルは発見されやすいが、レーダーで探知できない深海の戦略原子力潜水艦は、核戦争の時、最後の報復手段となる。世界6ヵ国だけが保有している。

◆北朝鮮のSLBM発射成功で、韓国も原子力潜水艦を保有しなければならないという意見が力を増している。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領政権初期の2003年、国防部が「362事業」で原子力潜水艦の建造を推進して失敗に終わった。ウランを20%未満に濃縮できるように韓米原子力協定が昨年改正されて核燃料調達の敷居が下がり、小型の原子炉建設の能力も備えた。しかし、核兵器不拡散条約(NPT)に縛られているうえ、日本の牽制や米国、中国、ロシアをはじめとする強大国の反発も強いだろう。北朝鮮は北東アジアを軍備競争に追い込んでいる。

異鎮(イ・ジン)論説委員leej@donga.com