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高高度太陽光無人機、航空宇宙研チームが開発

高高度太陽光無人機、航空宇宙研チームが開発

Posted August. 26, 2016 07:15,   

Updated August. 26, 2016 08:55

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一般の飛行機の飛行高度よりはるかに高い「成層圏」を飛行できる高高度無人機を国内の研究グループが開発した。

 

韓国航空宇宙研究院(航宇研)のキム・チョルワン航空技術研究団長チームは25日、自主開発した高高度太陽光無人機「EAV-3」が18.5キロの高度を90分間飛行することに成功したと、明らかにした。

 

EAV-3は12日午前7時20分頃、全羅南道高興(チョンラナムド・コフン)の航宇研航空センターを離陸し、最高高度18.5キロの上空を90分間飛行し、午後7時50分頃出発地点に戻った。

今回の飛行でEAV-3は世界で3番目に成層圏に進入した無人機になった。これまで成層圏の飛行に成功した無人機は、英国のキネティック社が開発した「ゼファー」と米国のエアロバイメント社が開発した「ヘリオス」だけだ。ゼファーは2週間以上の飛行に成功し、ヘリオスは短期の滞空にとどまった。

一般の飛行機は、風雨や雲など天候の変化がある高度10キロ以内の対流圏を飛行するが、高高度無人機は地球の大気圏と宇宙の中間領域を飛行するため、悪天候に関係なく常に飛行できる。また、人工衛星は1日数回、韓半島上空を通過する時だけ観測が可能だが、高高度無人機は望む地域を24時間観測できる。高度18キロ以上には決まった航路や管制センターがなく、いつでも望む所を自由に飛行できる。

 

EAV-3の機体の長さは9メートル、翼の長さは20メートルだが、軽い炭素繊維でできているので重さは53キロにすぎない。機体の下面に1台、上面の四方に4台、計5台のカメラが装着され、飛行中に映像を撮影することができる。航宇研空力性能研究チームのイ・ユンギョ・チーム長は、「地上の管制室で目的地や速度などを指定すれば、自律的に飛行する」と説明した。

成層圏は、温度がマイナス70℃と低いため、機体内部の温度の維持が重要だ。研究チームは、2010年から6年間、成層圏の環境に適合したプロペラの設計や精密航法、エネルギー運用、軽量化といった核心技術を研究してきた。

 

航宇研は今後、成層圏でEAV-3を活用し、海洋や地上の観測、通信中継、大気資料の収集など様々な任務を遂行する試験を進める計画だ。

キム団長は、「成層圏で数ヵ月間長期滞空する太陽光無人機を利用すれば、リアルタイムの気象観測や不法漁船の監視など多くの任務を遂行することができる」と説明した。



송경은 ソン・ギョンウン東亜サイエンス記者 동아사이언스기자kyungeun@donga.com