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[社説]日本防衛相の「核開発」示唆発言、中国・北朝鮮が刺激したのでは

[社説]日本防衛相の「核開発」示唆発言、中国・北朝鮮が刺激したのでは

Posted August. 08, 2016 06:54,   

Updated August. 08, 2016 07:29

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稲田朋美防衛相が5日、記者会見で、日本が核兵器を保有する道が基本的に禁止されたわけではないという見解を明らかにし、日本の政界と北東アジア国家に波紋を呼んだ。稲田氏は記者会見で、核兵器保有問題に答える際、「(武力は禁じるものの防衛のための最小限の実力は保有しなければならないという)憲法上、必要最小限度がどのような兵器であるかということに限定がない」と話した。安倍晋三首相が急いで「核兵器を保有することはありえず、保有を検討することもありえない」と火消しに乗り出したが、稲田氏の発言は一定部分、日本のムードを反映したと見ることができる。

日本は核爆弾6000個を作ることができる核燃料プルトニウム(47.8トン)を発電用に保有しており、その気になればすぐにでも核を作ることができる国だ。にもかかわらず、核被害国として核武装論はタブーとされた。しかし、米共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏が「日本と韓国はもはや独自で防衛しなければならない」と核武装と米軍撤収を主張したことで、「核武装を検討すべき」とするタカ派の声が高まっている。

そのうえ、北朝鮮のミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)に落ちるなど北朝鮮が核と弾道ミサイルの開発を進めているにもかかわらず中国が傍観を続け、日本のタカ派の核保有主張に力を与えている。米国のバイデン副大統領も6月、中国の習近平国家主席に対して、「北朝鮮核問題の解決に中国が手を置くなら、日本が核武装する可能性がある」と警告した。米政治専門紙「ポリティコ」も、「韓国、日本、台湾の3ヵ国のうち特に日本で核武装問題が浮上している」と伝えた。このようなムードなら、2年後に30年間の期限を迎える日米原子力協定で日本が核主権を強く主張する可能性がある。

韓国も、北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」挑発直後の4日、国会で核武装水準の軍事的態勢を整えるという主張が再び提起された。韓国としても、中国が北朝鮮のミサイル発射には口を閉じTHAAD配備に対してだけ報復を警告する状況をただ見ていることはできない。

稲田氏は4日、記者会見で、「(日中戦争が)侵略か侵略でないかは『評価』の問題であって、一概には言えない」と述べた。日中戦争は1937年、北京郊外で日本軍が自作の発砲事件を口実に中国軍を攻撃して始まった侵略戦争だ。稲田氏は「慰安婦は合法」という妄言もはばからない極右政治家だ。稲田氏の侵略戦争の否定は非難されて当然だが、最近の中国の覇権主義が日本の極右勢力の活動の幅を広げていないか注視しなければならない。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com