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[社説]米国の「ガラスの天井」破ったクリントン氏、韓半島に与える変化に備えなければ

[社説]米国の「ガラスの天井」破ったクリントン氏、韓半島に与える変化に備えなければ

Posted July. 30, 2016 07:12,   

Updated July. 30, 2016 07:28

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米民主党の大統領候補に確定したヒラリー・クリントン氏が28日、ペンシルバニア州フィラデルフィアで閉幕した全国党大会で、同盟国との協力と保護貿易を強調した。グローバリズムに立脚したクリントン氏の外交安保思想は、同盟の再調整と米国第一主義を訴えた共和党のドナルド・トランプ候補とは対照的だ。しかし程度の差があるだけで両候補いずれも米国人の雇用を守るために保護貿易を強化する立場なので、誰が当選しようと米国の次期政府の韓半島政策で変化は避けられないだろう。

クリントン氏は指名受諾演説で、北朝鮮の核問題と韓米自由貿易協定(FTA)については直接言及しなかった。ただ、「皆さんは私たちが世界で同盟国と団結する時より強くなれるということを理解する指導者を望む」とし、同盟国と共に世界の脅威に対抗する考えを明らかにした。民主党は、大統領選の政治綱領で北朝鮮を「残虐な独裁者による、地球上でおそらく最も抑圧的な体制」と規定し、「北朝鮮には違法な核やミサイル開発を放棄する道しか選べないようにする」と明らかにした。民主党が政権を続投しても北朝鮮が態度を変えない限り、ビル・クリントン政府の時のように米朝関係が改善する可能性はほとんどない。

クリントン氏は、「不公正な貿易協定にはノーと言わなければならない。中国に立ち向かわなければならない」と主張した。クリントン氏はこれまで、中国の不公正貿易慣行と為替操作などを批判したため、中国との貿易摩擦が大きくなる可能性がある。クリントン氏が国務長官時代に中国を牽制するアジア再均衡政策を主導し、中国としては緊張せざるを得ない状況だ。クリントン氏は北米自由貿易協定(NAFTA)、韓米自由貿易協定(FTA)など2国間貿易協定は支持すると明らかにし、トランプ氏よりは安心できる。

米史上初の女性大統領候補になったクリントン氏がホワイトハウスに入城するには、低い好感度を克服しなければならない。共和党の全国党大会後、トランプ氏の支持率がクリントン氏をリードしたという調査もある。トランプ氏よりも韓半島問題を理解するクリントン氏が当選する方が政策変化の幅は小さいだろうが、世論の流れを追う場合、オバマ政府と変わるだろう。誰が米国の大統領になるのか、韓半島にとって重大な変数にならざるを得ない。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com