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トランプ氏の助言者はマッカーシズムを先導した「悪魔の弁護士」

トランプ氏の助言者はマッカーシズムを先導した「悪魔の弁護士」

Posted June. 22, 2016 07:14,   

Updated June. 22, 2016 07:45

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「マッカーシーの耳に悪名高いささやきをしたあの弁護士が、トランプの耳に同じようにささやいた。13年間も」

米国の有力な大統領選候補であるドナルド・トランプ氏の助言者が、1950年代にマッカーシズムの狂風をもたらしたジョセフ・マッカーシー上院議員の補佐官を務めた弁護士のロイ・コーン氏(1927~1986)だと、米紙ニューヨーク・タイムズが20日付で報じた。トランプ氏はコーン氏が残した「最後のプロジェクト」だ。

コーン氏は1960、70年代、ニューヨークで「悪魔の弁護士」として有名だった。マフィアのボスや裕福な有名人の弁護に手段と方法を選ばなかった。若い頃はさらに悪名を轟かせた。

コーン氏は1951年、ソ連に原爆設計図を渡した疑いで逮捕されたローゼンバーグ夫妻を起訴し、有罪判決を引き出して有名になった。このことで、連邦捜査局(FBI)のフーバー局長の目に止まったコーン氏は、フーバー局長の推薦で「赤狩り」を行ったマッカーシーの首席補佐官に抜擢された。その後、マッカーシーの目と耳となってマッカーシズムを絶頂へ推し進めたコーン氏は、国防総省内の共産主義者の探索に乗り出し、逆風を受けて退いた後は、故郷であるニューヨークに戻り、弁護士になった。

ニューヨークで不動産事業をはじめたばかりのトランプ氏は、1973年に父親の紹介で19才年上のコーン氏に会う。その後、コーン氏は、黒人に対する賃貸を故意に避けたという訴訟から、トランプ氏が最初の妻イバナと結婚する時、「離婚時にトランプ氏から受けたすべての財産を放棄する」という結婚前の覚書作成まで、トランプ氏が抱える問題を処理した。

2人は依頼人と弁護人の関係を越えて友好関係を築いていった。1日に5回以上電話し、当時有名なディスコ「ル・クラブ」の常連で、誕生日パーティーもした。2人には秘密もなかった。驚くべきことにコーン氏は同性愛者で、1986年の死の原因もエイズだった。ごく少数だけがこのことを知っていたがトランプ氏もその1人だった。コーン氏は死ぬ2ヵ月前、過去に犯した不正がばれて弁護士資格が剥奪された。トランプ氏は当時、コーン氏のために証言台に立った。トランプ氏は今でもコーン氏の写真を事務所に飾り、「ロイは一つの時代(an era)であり、彼の死で一つの時代が消えた」とコーン氏を懐かしんだ。



권재현기자 クォン・ジェヒョン記者 confetti@donga.com