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[オピニオン]G7首脳が訪問した伊勢神宮

[オピニオン]G7首脳が訪問した伊勢神宮

Posted May. 27, 2016 09:43,   

Updated May. 27, 2016 09:44

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日本神道の根源である土着信仰では、各所に神がいると考えられている。古代神話には「八百万の神」という表現まで登場する。最初は自然を神と見なしたが、先祖神をまつる風潮が広まった。宗教法人に登録された神社は8万を超える。皇室と関係のある神をまつる神社は神宮と称され、優遇される。

◆三重県伊勢市の伊勢神宮は、皇室の先祖神である天照大神の祭事を行う最高の神社だ。いわゆる「3種の神器」の一つである鏡が保管されている。富士山と共に日本人なら誰でも死ぬまでに一度は行きたい「バケットリスト」に登場する場所だ。「保守勢力の聖地」と言われるが、毎年600万~1000万人が参拝するほど多くの人々が好んで訪れる。

◆日本は1868年の明治維新後、国家神道体制を導入して伊勢神宮を神社の頂点に位置づけた。東京の明治神宮、靖国神社とともに侵略戦争の過程で「天皇イデオロギー」を強化する精神的支柱の役割も果たした。日本の植民地支配期、ソウル南山(ナムサン)にあった朝鮮神宮も、天照大神と明治天皇を称える神社だった。日本の敗戦後、政教分離の原則によって国家神道は廃止されたが、伊勢神宮は年初めに首相の参拝が慣例になるほど「日本魂」を象徴する場所だ。

◆26日、伊勢志摩で開幕した主要7ヵ国(G7)首脳会議に出席した米国のオバマ大統領をはじめとする各国首脳が伊勢神宮を訪れた。宗教儀式としての参拝ではないが、世界の指導者が団体でここを訪れたということだけでも波紋と論議を呼ぶ。伊勢神宮は、戦犯が合祀された靖国神社とは性格が異なる。しかし、日本の侵略に遭った辛い過去を持つ韓国と中国としては、後味がすっきりしない。G7首脳の伊勢神宮訪問に続き、安倍晋三首相は27日に予定されたオバマ大統領の被爆地広島訪問まで成功させる外交成果を収め、リーダーシップを強調し、政治的立場も強化した。

権淳活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com