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[オピニオン]金与正の婿候補探し

Posted May. 26, 2016 07:18,   

Updated May. 26, 2016 07:30

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「私の娘と結婚する人に5億香港ドル(約700億ウォン)をあげよう」。2012年、香港の財閥である趙世曾が、当時31歳だった娘の婿候補を探すために打ち出した条件だ。世界の男性たちが、耳をそばだてたが、ネックがあった。彼の娘はレズビアンで、これに先立ってフランスで同性結婚式を挙げたということだ。

◆それでも、浮気者と噂されていた父親はあきらめなかった。2年後、良いパートナーを探したいという一心で、「持参金」を10億香港ドルに引き上げた。見るに見かねた娘が、公開書簡を送った。その内容は、お互いの愛情問題には触れないことにしようという提案だった。最近、北朝鮮では金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が、妹である金与正(キム・ヨジョン、28)の配偶者探しに積極的に乗り出しているという。彼が格別に目をかけていると伝えられている金与正は、序列や肩書とは関係なく、事実上のナンバー2だ。そんな金与正の夫の条件は何だろうか。

◆英紙「ザ・サン」は、脱北者の言葉を引用して、「金日成(キム・イルソン)大学卒業、身長は178センチ以上、ハンサムな容姿、人民軍服務キャリア」などを備えた30人余りを対象に、調査を進めていると報じた。誰もが「指名」をされれば拒否できないはずであり、平壌(ピョンヤン)版のとんでもないドラマが、本当に現実になるかもしれない。財閥家や権力層の傍若無人な娘と結婚したことで、本人はもとより、家族全員が受難を経験する男の主人公のようである。白頭(ベクトゥ)血統のプライバシーはベールに包まれているだけに、確認されたことなどない。崔龍海(チェ・リョンへ)の息子と結婚したという報道もあったが、金与正が崔龍海にぞんざいな言葉を使ったということが伝わり、完全に消えた。先日、北朝鮮入りした日本人料理人である藤本健二は、「未婚だと聞いている」と語った。

◆北朝鮮の核問題でもなく、金与正の夫の存在など重要なはずがない。ただ、結婚如何にひたすら注目が集まっていたのに、情報当局は絶えず無駄足を踏んだことが気になる。昨年4月、国家情報院は国会情報委で、「(2015年)5月に出産」と出産予定日まで釘を刺したが、「金与正=未婚」が正しいのなら、大恥と言わざるを得ない。ところで、北朝鮮の最高尊厳である指導者の妹と結婚するのは、果たして毒か、それとも薬か。

高美錫(コ・ミソク)記者 mskoh119@donga.com