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「中国の夢」実現に向けて…北朝鮮の政権交代の協力は必然

「中国の夢」実現に向けて…北朝鮮の政権交代の協力は必然

Posted May. 11, 2016 08:46,   

Updated May. 11, 2016 08:48

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北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)外相は21日、ニューヨークで、米国の(北朝鮮に対する)核の脅威を口実に「核には核で対応するだけだ」と主張した。これは、193の国連加盟国の総意による決議を愚弄し握りつぶす法律違反行為であり、国際法違反である。ところが、国連と関係国は、核開発で暴走する金正恩(キム・ジョンウン)氏の手を直ちに縛る方法を見出せずにいる。

北朝鮮の核開発は、首領独裁体制の防衛が目的だ。約12万人の政治犯収容所の運営と拷問、不法処刑、強制堕胎、集団飢餓、脱北者の出口である中朝国境封鎖など、これらすべてが首領独裁体制が原因だ。

金正恩第1書記が権力世襲後、4年分の食糧購入費に相当する40億ドルを大量破壊兵器である核開発に注ぎ込んだことで、ボロを着て飢える住民は日々増加している。スターリン、ヒットラーよりも残酷で好戦的な金第1書記が核兵器を手に入れる場合、日米韓3国は核恐喝に振り回されることになるだろう。北東アジアだけでなく人類滅亡の大災害を招かないとも言えない。直ちに金第1書記の手から核開発計画を奪うことが問題解決の本質だ。

それは、「白頭(ペクトゥ)血統」で続いた世襲首領独裁体制の解体とともに、金第1書記氏の暴政を交代させることだ。すなわち、首領体制の核を取り除く人的交代だ。東西冷戦終結の糸口も、ソ連の権力層の人的交代だった。核開発と首領独裁体制はコインの両面なので、首領独裁体制の解体で核開発の必要性は消えることになる。このようなレジーム・チェンジは、北朝鮮の崩壊を意味するのではない。「核開発-挑発-交渉-補償-核開発」の悪循環を断ち切り、首領独裁体制を開放的な新しい政権に変えようということだ。

このためには中国の決断と協力が決定的だ。中朝の石油パイプラインや密貿易の通路の遮断と中朝国境の開放、中国内の脱北者に対する難民処遇保障などが必要になる。北朝鮮指導部を人道に対する罪で国際刑事裁判に付託するという国連総会決議を中国が拒否せず同意することも一つの方法だ。金第1書記の暴政終息後、新しいパワーエリートによる開放的な新政権が登場してはじめて、韓半島と北東アジアの平和時代を迎えることができるだろう。

このような方法は、国際法上、内政の干渉ではなく、反人道的な人権蹂躙に対する人道的な介入であり、暴政に対する抵抗権の行使だ。国連安全保障理事会の第7回制裁まで中国は北朝鮮をかばって批判を受けたが、レジーム・チェンジに協力すれば、核不拡散と人権保障という普遍的価値の実現でイメージが大きく改善されるだろう。米国との関係も改善し、G2国家として「新大国関係」の地位も得られるだろう。中国の習近平国家主席の「中国の夢」実現のためにも、北朝鮮の核廃棄は必然的な過程だ。これにより、南シナ海紛争など2つの戦線を迎えた中国は、北朝鮮核問題という一つの頭痛の種から解放されることになる。

呂永茂(ヨ・ヨンム)南北戦略研究所長