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南米左派の没落ドミノ

Posted April. 20, 2016 07:27,   

Updated April. 20, 2016 07:37

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弾劾決議案の下院採択で最大の政治的危機を迎えたブラジルのルセフ大統領は18日、テレビ演説で、「何の根拠もなく弾劾が推進されるという事実に憤りを覚える。誰も私を倒すことはできない」と主張した。このように豪語しても、次の手続きである上院採決がルセフ大統領に有利な状況ではない。3分の2(54人)が賛成して弾劾決議案が最終可決されれば、13年間続いた「ブラジル左派政権」が幕を下ろすことになる。

ルセフ大統領が弾劾されれば、南米左派政権の崩壊ドミノ現象が起こると見通されている。ルセフ大統領の没落は、まさに中南米の左派ブロックの中心であるシルヴァ前大統領の没落のようなものだ。

主要20ヵ国(G20)加盟国のアルゼンチンは昨年11月、中道右派のマクリ大統領(57)が政権に就き、12年間の左派政権が崩壊した。前任のフェルナンデス大統領(63、07~15年在任)は、夫のキルチネル元大統領(03~07年在任、10年死亡)のポピュリズム政策を継承した。しかし、相次ぐ経済難と過度な福祉予算の支出で、2014年から事実上、デフォルト(債務不履行)危機に陥った。国家財政は苦しいにもかかわらず、ボトックス施術やブランド品の購入に明け暮れて贅沢三昧だったことも国民の不満を買った。現地メディアは、マクリ大統領の当選を「左派の夫婦大統領時代の終末」と表現した。

南米左派政権の象徴であるチャベス元大統領(13年3月死亡)が率いたベネズエラも、昨年12月の総選挙で中道保守の野党に第1党の座を明け渡した。マドゥロ大統領(54)が率いる統合社会主義党は、167議席中46議席を獲得し、野党の協力がなければ国政を運営できない状況だ。チャベス元大統領の「後継者」とされるマドゥロ大統領は、原油価格の低下による財政悪化と85%を超える物価上昇など厳しい経済危機を経験し、国民の信頼を失った。

 

6月に大統領選決選投票を控えたペルーでも、左派政権が退くことが確実視される。左派のウマラ大統領(54)の後に続く次期大統領が中道右派のケイコ・フジモリ候補(41)と中道のペドロ・パブロ・クチンスキー候補(77)のどちらかになる。クチンスキー候補は、世界銀行や国際通貨基金で働いた経験がある穏健市場主義者だ。

ニューヨーク大学のジョルジュ・カスタネダ教授(元メキシコ外相)は、米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿した「南米左派の死」というコラムで、「南米左派政権は福祉拡大に集中しすぎ、経済危機に効果的に対処できず、不正腐敗の問題も解決できなかった」と指摘した。



이세형기자 イ・セヒョン記者 turtle@donga.com