パッキャオは10日、米国のネバダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われたティモシー・ブラッドリー(33=米国)と世界ボクシング機構(WBO)ウエルター級12回戦で審判全員一致の3-0判定勝ちを収めた。これで1995年にプロデビューし通算66戦431ラウンドを戦ったパッキャオは58勝(38KO)2分け6敗の記録を残してリングを降りた。
パッキャオは1998年、世界ボクシング評議会(WBC)フライ級(51キロ以下)タイトルを皮切りにスーパーウエルター級(70キロ以下)まで8階級を席巻し、当代最高のテクニシャンと言われた。とくに専門家たちから劣勢と評価された2008年の「ゴールデンボーイ」オスカー・デラ・ホーヤ(43=米国)との試合では8回TKO勝利を挙げ、世界を驚かせた。
昨年5月、「無敗ボクサー」フロイド・メイウェザー(39=米)と対戦した世紀の対決で判定負けしたパッキャオは、名誉回復を図ってメイウェザーとのリターンマッチを希望したが実現せず、ブラッドリーとのリターンマッチで引退試合とした。
この日の試合までに、パッキャオはブラッドリーと2回対戦し1勝1敗を記録し、優劣がつかなかった。2012年にはブラッドリーが、2014年にはパッキャオが判定で勝利した。この日の3度目の対戦では、パッキャオが7回と9回に1度ずつダウンを奪うなど終始優勢に試合を進めた。3人のジャッジ全員が116-110の大差でパッキャオの軍配を上げるほどパッキャオの完勝だった。ブラッドリーの2000年のプロデビュー以来の2敗はいずれもパッキャオ戦で喫したものだ。ブラッドリーの戦績は33勝(13KO)1分け1敗となった。
パッキャオは、「これで引退する。これからは家族ともっと多くの時間を過ごしながら、政治活動に集中し、社会に奉仕しながら生きたい。これまで応援してもらったファンの皆さんに感謝の気持ちを伝える」と話した。フィリピン下院議員のパッキャオは5月の総選挙では上院議員に出馬する。
이종석기자 イ・ジョンソク記者 wing@donga.com