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盗作疑惑の小説家・申京淑、「盗作でない」と主張

盗作疑惑の小説家・申京淑、「盗作でない」と主張

Posted March. 25, 2016 07:55,   

Updated March. 25, 2016 08:07

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日本の唯美主義作家・三島由紀夫氏(1925~1970)の作品を盗作したとの疑惑で訴えられた小説家・申京淑氏(シン・ギョンスク、写真)は、取調べのための検察からの電子メールの返信で、「盗作ではない」という態度を示したことが、24日確認された。盗作を巡る議論は、申氏が1996年発表した短編小説「伝説」が、三島氏の「憂国」を盗作したという疑惑から始まった。これと関連し、申氏が捜査機関に対して自分の立場を明らかにしたのは、今回が初めてだ。

ソウル中央地検・刑事6部(ペ・ヨンウォン部長)は、米国に滞在していた申氏に対し、最近電子メールでの取調べを行った結果、盗作疑惑を否定する旨の返信を得た。申氏事件に対する法理的検討が大分進捗している検察は、近く結論を下すものと見られる。必要であれば、最近帰国した申氏を召喚する方針だ。

盗作を巡る議論は、小説家のイ・ウンジュン氏が「申氏が1996年に発表した『伝説』は、三島の『憂国』を盗作している」と主張したことから始まった。三島の作品に「二人とも実に健康な若い肉体の所有者だったため、彼らの夜は激しかった」という表現が出てくるが、申氏の作品「伝説」の「二人とも健康な肉体の所有者だった。彼らの夜は激しかった」という文章などが類似しているということだ。イ氏は当時、「『他の小説家』に厳然たる著作権のある『小説の肉体』をそのまま『自身の小説』に切り貼りした、間違いのない盗作だ」と主張した。また、韓国社会問題研究院のヒョン・テクス院長が申氏を相手取って、詐欺と業務妨害の疑いで告発したことから、検察が捜査に乗り出した。

申氏は昨年6月、あるメディアとのインタビューで、「記憶をいくらたどっても『憂国』を読んだ覚えはないが、今や私も自分の記憶を信用できない状況になった」と曖昧な態度を示した。

検察では、作品の内容に似通った部分があることには共感しながらも、刑事処罰することは簡単ではないという見方が強い。申氏は出版社をだまし、業務を妨害して不当な利益を手にしたとの疑いで訴えられたが、申氏の本は数百万部も売れているだけに、出版会社を詐欺の被害者とみなすのは難しいということだ。

最高裁判所の判例を見ると、従来の著作物を多少利用したとしても、その著作物と実質的な類似性のない、別の独立した新著作物になったのなら、著作権を侵害したものと見なさない。最高裁判所は、1998年小説家キム・ジンミョン氏の「ムクゲの花が咲きました」が自身の作品を盗作したとして、A氏が起こした制作・販売禁止仮処分申立ても棄却した経緯がある。



장관석기자 チャン・グァンソク記者 jks@donga.com