Go to contents

[社説]カストロ体制を認めたオバマ大統領、道に迷った金正恩

[社説]カストロ体制を認めたオバマ大統領、道に迷った金正恩

Posted March. 22, 2016 07:19,   

Updated March. 22, 2016 07:25

한국어

米大統領として88年ぶりにキューバを国賓訪問したオバマ大統領が21日(現地時間)、カストロ国家評議会議長と歴史的な首脳会談を行った。両首脳は、米国の対キューバ禁輸措置の解除など2014年の国交正常化推進宣言後の両国の関係正常化について話し合った、オバマ大統領がこれに先立ち、ハバナの米大使館職員に向けた演説で「今回の訪問はキューバ国民との関係を形成する歴史的な機会だ」と話したように、今回のオバマ大統領のキューバ訪問は、1972年のニクソン大統領の訪中と比較される歴史的な出来事と評価される。

米州大陸の唯一の孤立国家だったキューバが即時に政治改革をしなくても、オバマ大統領の訪問は、キューバに本格的な改革開放の風を吹き込むことは明らかだ。英紙フィナンシャル・タイムズは、「キューバ国民は、経済が一気に回復するという奇跡を期待している」と伝えた。オバマ大統領は訪問最終日の22日、キューバ国民への演説で、カストロ独裁政権の「レジームチェンジ」(政権交代)はもはや米国の目的ではなく「自由はキューバ国民自ら獲得すること」だと強調するという。

永遠なる敵も友好国もなく国際社会で、イラン、ベトナム、ミャンマーに介入して「ゲーム・チェンジャー」としての役割を果たした米国がキューバとの敵対関係を解消する姿は、韓国にとって他人事ではない。今、韓半島平和協定をめぐって中国と北朝鮮が水面下で利害得失を突き詰め、共感する動きも感知される。金正恩(キム・ジョンウン)集団が韓国と米国に対する敵対行為を止め、対話のテーブルに出てくるなら、米国は金正恩政権の交代を要求せず、米朝国交正常化まで考慮する段階に進むかも知れない。

むろん、核の脅威を続ける北朝鮮は核のないキューバとは違う。米国とキューバは小規模な貿易をはじめ経済交流の歴史も長く、米国には180万のキューバ系移民が居住している。北朝鮮の兄弟国を自任するキューバまで安全保障ではなく経済、孤立ではなく開放を選んだ現実に北朝鮮の金正恩氏はいつまで目をそむけるつもりだろうか。

米メディアは、連日ミサイル挑発を警告し、5度目の核実験の準備に没頭する北朝鮮を徹底して無視している。これとは対照的に、オバマ大統領のキューバ訪問は比重をもって扱われている。南北関係は当事者である韓国が自ら解決しなくてはならない。キューバのケースは、韓国が精巧な戦略の下、北朝鮮に対して変化を求める強弱両面のメッセージを投じなければならないことを雄弁に物語っている。



허문명논설위원 ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com