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世界初の「浮かぶLNG工場」が命名式、 大宇造船海洋の受注から4年ぶり

世界初の「浮かぶLNG工場」が命名式、 大宇造船海洋の受注から4年ぶり

Posted March. 07, 2016 07:18,   

Updated March. 07, 2016 07:23

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「私が、『PFLNGサトゥ(SATU)』という名のこの船のゴッドマザーになるなんて、誠に光栄であり、喜びです。アラーの神がこの船やこの船で働くすべての人たちを危険から守られ、祝福なさることを。アミーン(AMEEN)」

アジュラ・アフマド・タジュディン夫人が手斧でロープを切りつけると、ファンファーレが響き渡り、紙の花が舞い落ちた。アジュラ夫人は、マレーシア国営石油会社・ペトロナスのワン・ズルキフリー・ビン・ワン・アリフィン会長の妻だ。世界初の「漂う液化天然ガス(LNG)工場」に名づけが行われる瞬間だった。

4日午前、慶尚南道巨済市(キョンサンナムド・コジェシ)大宇(テウ)造船海洋の玉浦(オクポ)造船所。大宇造船海洋が世界初に建造したFLNG(Floating LNG)が、その威容を現した。ペトロナスが2012年6月、9098億ウォンで発注したFLNGの命名式の現場だ。

FLNGは、その名の通り、海に浮かぶLNG工場ともいえる。これまでは、固定された採掘設備で生産した天然ガスを、長距離パイプラインで陸地に送り、液化と貯蔵の段階を経て商品化した。しかし、FLNGは、生産から荷役に必要なあらゆる設備を備えている。移動もできるので、ガスを採取した現場のすぐ隣で、精製や液化、貯蔵や荷役まで一括処理できる。これまでのやり方に比べ、経済性が優れいている上、一つのガス田での生産が終われば、ほかのガス田に移動できる強みもある。大宇造船海洋の鄭聖立(チョン・ソンリブ)社長は、「LNG業界で、『ゲームの法則』を変える新しい概念の施設だ」と言い、「このような施設を大宇造船海洋が世界で初めて作ることに成功し、誇らしく思う」と明らかにした。

この目で確認したFLNGは、水上に浮かんでいるのが不思議なほど、巨大なものだった。長さ365メートル、幅60メートル規模で、エッフェル塔を横倒しにしたものより長く、面積はサッカースタジアムの3.6倍に上る。聖火のようにガスを燃やす「フレアタワー」は、海面から130メートルもそびえている。

エレベーターに乗って、海面から30メートル高さのデッキに到着して下を見下ろしたら、めまいがするほどだった。上部に設置されたLNG生産構造物は、様々なパイプが複雑に絡まっており、この構造物の重さだけでも4万6000トンに上る。船体部分には、最大18万立方メートルのLNGと、2万立方メートルのコンデンセート(ガス田から出てくる原油)を貯蔵できる。巨大な工場団地を見ているような気がした。最大で180人を収容できる上、スクリーンゴルフ場や映画館、プールまで備えている。PFLNGサトゥは、来月、ペトロナスに引き渡され、マレーシア・サラワク州北西部の海域に位置しているカノイット油田で、年間最大120万トン規模のLNGを生産する計画だ。大宇造船側は、「昨年12月にパリ協定が交わされるなど、世界的に環境規制が強化されている中、『クリーンエネルギー』としてLNGが注目を集めているので、FLNGの需要も伸びるだろう」と説明した。

一方、鄭社長は今年、造船業界の業況について、「今年も原油安が続く上、金融市場も厳しいので、海洋プラント分野での目標達成が厳しいのが現状だ」としながらも、「船舶分野が海洋プラントの低迷を挽回することで、今年下半期からは状況が改善するだろうと期待している」と明らかにした。



거제=김성규기자 巨済=キム・ソンギュ記者 sunggyu@donga.com