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[社説]安保理の北朝鮮制裁対象に金正恩、金与正氏も含めなければ

[社説]安保理の北朝鮮制裁対象に金正恩、金与正氏も含めなければ

Posted February. 26, 2016 07:31,   

Updated February. 26, 2016 08:00

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米国と中国が事実上、北朝鮮を封じ込める水準の国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議案草案に合意した。 中国の王毅外相と米国のライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は24日、ホワイトハウスで会合を行い、両国が安保理チャンネルを通じて用意した北朝鮮制裁決議案草案に署名した。国連はこの草案を安保理理事国に回覧させ、25日午後3時(韓国時間26日午前5時)全体会議を開いて採択の有無を議論する。早ければ今週末、遅くとも来週の始めには国際社会の意見を集め、北朝鮮制裁決議案が採択されるものとみえる。

草案は公開されていないが、北朝鮮船舶の全世界の港への入港禁止、北朝鮮の航空機の国連加盟国の領空通過禁止、北朝鮮への航空燃料供給停止、北漢山(プクカンサン)鉱物の輸入禁止など、以前よりも大幅に強化された制裁が含まれているという。このような措置が施行されれば、高麗(コリョ)航空の北京、ウラジオストクの運航が中断される可能性が高まり、北朝鮮の空と海の通路が遮断されるものと予想される。北朝鮮への大規模な資金流入に対する監視体系も大幅に強化される。韓国外交部は、「いつになく強力で、実効的な要素が多数含まれた」と評価する。

開城(ケソン)工業団地の閉鎖に続く今回の制裁で、北朝鮮が相当な打撃を受けるとみられるが、それでも核とミサイルを放棄すると判断することはできない。何よりも北朝鮮の挑発の実質的な責任者である金正恩(キム・ジョンウン)第1書記と労働党書記室長として核・ミサイル開発に必要な資金を管理する妹の金与正(キム・ヨジョン)氏が制裁対象から抜けた。強力な制裁を推進する米国と金正恩政権が崩壊するほどの制裁には反対する中国が妥協して出した案なので、中国が今回も後ろで北朝鮮の息を吹き返らせるなら、国際社会は北朝鮮を統制する手段を喪失することになる。

米中の北朝鮮制裁の議論で、韓国戦争休戦協定の平和協定転換問題が提起された。韓国と米国は「非核化優先」を掲げて一蹴したが、中国が北朝鮮に代わって臨んでいるため、安保理決議案通過後、6者協議再開と平和協定交渉の問題が再び台頭する可能性もある。米中間にはすでに高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍配備問題が韓国の意志に関係なく駆け引きのチップとして話し合われた可能性もある。安保理決議は北朝鮮の変化を誘導するための手段であるため、それ自体で完結する目標ではない。大統領府攻撃まで公言し、韓半島危機を最大化する金正恩第1書記の暴走を止めるには、すり抜ける穴をしっかりと塞がなければならない。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com