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韓国一逃すも新しい伝統を作った、三星・柳仲逸監督

韓国一逃すも新しい伝統を作った、三星・柳仲逸監督

Posted November. 02, 2015 07:12,   

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昨年に「統合4連覇」を達成した柳仲逸(リュ・ジュンイル)三星(サムスン) 監督は、「徳将や福勝よりも智将と呼ばれたい」と言って笑みを浮かべた。

今シーズン、柳監督は敗将として韓国シリーズを終えた。柳監督は、試合後の記者会見で「統合5連覇に失敗し、申し訳ない。斗山(トゥサン)の優勝を祝福する。我々の完敗だった」と敗北をきっぱりと認めた。

会見場の外では、「ウィ・アー・ザ・チャンピオン(We are the Champion)」が鳴り響いていた。柳監督としては愉快なはずがない瞬間だった。2011年の監督就任以来初めて逃した韓国一だった。レギュラーシーズンを1位で終え、統合5連覇まであと一歩のところだっただけに、悔しさはひとしおのはずだった。韓国シリーズ直前に起きた賭博問題で離脱した先発、中継ぎ、抑えのビック3の不在が致命的だった。三星らしさは姿を消した。柳監督は、「結果でものを語るプロの世界で2位は悲惨だ」と辛い気持ちを隠さなかった。

しかし、柳監督は、すぐ「斗山を祝福してやらないと」と言って球場に足を運んだ。ベンチに戻った柳監督は、喜んでいる斗山の選手たちを見守っては、公式の表彰式が行われると、コーチ陣や選手たちを三塁側に並ばせた。そして優勝トロフィーを持ち上げる斗山のキム・テヒョン監督と選手たちに拍手を送った。三星選手団は20分以上にわたって行われた表彰式を最後まで見届けた。お陰で優勝球団の選手団だけが残って優勝の喜びを満喫した表彰式の風景が変った。プロ野球に新たな伝統が作られる契機にもなった。

国内のプロスポーツでは見慣れない光景は、柳監督が以前から考えてきたことだった。2011年のアジアシリーズで優勝したとき、敗戦したソフトバンクが送ってくれた祝福に大きく感動した柳監督は、普段「うちが韓国シリーズで負けても、公式の表彰式が終わるまで相手チームを祝福してあげるつもりだ」と話していた。これまで優勝の経験しかなかったので行動で示せるチャンスがなかった柳監督は、ついに以前から温めてきた構想を実践に移した。統合5連覇こそならなかったが、この日、柳監督が示した行動は、彼を韓国野球史に残る名将と呼ぶに足りるものだった。



bom@donga.com