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[社説]柳𨛗順と金元鳳

Posted August. 19, 2015 07:20,   

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独立運動家を巡る歴史教科書の記述が、イデオロギーによって偏っていることが確認された。1919年3.1独立運動の時、10代の女子学生の身で、デモの先頭に立った柳𨛗順(ユ・グァンスン)はないがしろに扱われているものの、1930年代、中国で共産主義系列の独立運動を展開した後、北朝鮮に渡った金元鳳(キム・ウォンボン)は、高い割合で扱われている。米国で独立運動をした徐載弼(ソ・ジェピル)や安昌浩(アン・チャンホ)、李承晩(イ・スンマン)などの活動事実はほとんど扱われていない。歴史教科書の左派寄り歴史認識が再び俎上に上っている。

国家報勲処傘下の報勲教育研究院が、ソウル大学の康元澤(カン・ウォンテク)教授やイ・ジュウン、オ・クムゴ教師など、専門家5人に依頼して、中東歴史教科書を分析した結果によると、高校韓国史教科書8種のうち、柳𨛗順烈士を記した教科書は4種に止まったものの、金元鳳は8つの教書全てで扱っていた。記述の回数においても差がある。金元鳳は6、7回ずつ扱われているが、柳𨛗順はその大半が1回に過ぎなかった。3.1独立運動の象徴的人物の柳𨛗順が、教科書から排除されていることは納得できない。

このような違いは、歴史学会の全般的認識と関係がある。歴史学界は、柳𨛗順について否定的だ。「柳𨛗順は、梨花(イファ)学堂出身の親日人物が発掘して英雄に仕立てたため、教科書に記していない」という言葉が、内部から出てくるほどだ。しかし、光復(独立)後、柳𨛗順という人物を探し出して広く知らせた人は、親日とは何ら関係のない建国初期の教科書執筆者らだ。誰が発掘しようと、アウネ市の万歳デモを主導し、日本帝国の刑務所で殉国した事実は否定できない。金元鳳は1948年、北朝鮮に渡って、北朝鮮で労働相や最高人民会議代議員などの要職を歴任した人物だ。各教科書はこのような事実にほとんど触れていない。北朝鮮に友好的な見方は、ここでも現れている。

徐載弼、安昌浩、李承晩が米国で独立運動をしたことが、金元鳳に比べてずさんに記されていることも問題だ。安昌浩の場合、高校教科書8種のうち3種でだけ扱っており、李承晩についても叙述が足りない。米州地域の抗日運動家らは、大韓民国臨時政府を財政的に支援し、相当な役割を果たした。各教科書が中国やロシアで行われた独立運動は一段と具体的かつ詳しく記しており、対照的だ。

独立運動家たちは、人一倍の犠牲精神で祖国光復の礎を築いた。教科書の編纂者らが、イデオロギーによって児童生徒たちに浮き彫りにさせたい人だけを扱うことになれば、未来世代に正しい歴史的教訓を伝えることはできない。教科書の執筆者らにだけ任せておくことではない。検定教科書の監修責任を持っている政府の責任は重い。