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検察と国情院の傷ついた信頼、笑うのは北朝鮮だけ

検察と国情院の傷ついた信頼、笑うのは北朝鮮だけ

Posted April. 16, 2014 03:02,   

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「ソウル市公務員スパイ」証拠捏造事件の捜査が2ヵ月で終了した。2月14日、ユ・ウソン(リュ・ジャガン)氏の弁護を引き受けた民主社会のための弁護士の会(民弁)の問題提起で始まった事件は、検察と国家情報院(国情院)、大統領にも大きな痛手となった。

記者にとってこの事件は格別だった。東亜(トンア)日報は昨年1月、ユ氏が脱北者出身の公務員として初めてスパイ容疑で逮捕されたことを報じた。国情院と検察は今もユ氏をスパイと見ており、最初の報道時に戻るとしても、記者が当時の捜査状況以上のことを知ることは難しいだろう。しかし、捜査の過程で証拠の捏造が行われたという疑惑が起こり、誰よりも気になった。

検察と国情院は、どちらも最初は「まさか」という反応だった。検察内部は、「国家最高の情報機関が偽の証拠を作るだろうか」と言っていたが、捏造の状況が明らかになり、当惑した。非難の矛先は国情院が持ってきた証拠を十分に検証しなかった検察内部にも向けられた。検察は、捜査と公訴維持担当の検事2人を嫌疑なしとしたが、大きなダメージを受けたのは明らかだ。北朝鮮絡み事件の捜査で、事実上国情院に依存し、「書き取り」をしてきたことが露になったのだ。検察捜査に対する国民の信頼失墜は当然だ。

最も痛手を負ったのは国情院だろう。国家情報機関としての自尊心と信頼は地に落ち、激しい情報戦が繰り広げられる海外で嘲笑の的になった。起訴されたイ対共捜査局処長(54・3級)、キム課長(47・4級)、駐瀋陽総領事館のイ領事(48・4級)、時限付きで起訴が中止になったクォン課長(50・4級)など表に出てはならない幹部やブラック・ホワイト要員の名前や身元、役割が露呈した。中国現地の協力者やヒューミットとの関係も切れた。徐千浩(ソ・チョンホ)第2次長が辞任しただけでなく、南在俊(ナム・ジェジュン)院長の更迭論が提起されるなど、指揮部が動揺している。

一部では、今回のことで対共事件の捜査が停滞することを憂慮している。捜査の過程で傷つけ合った検察と国情院の協力関係にひびが入ったためだ。すでに「公訴維持は検察がすることなのに国情院がこれまで助けすぎた」(国情院)、「もはや国情院が持ってくる資料は必ず疑ってみなければならない」(検察)などの言葉も出ている。

このような状況はまったく国益のためにならない。ある司正当局関係者は、「検察と国情院がいがみ合えば、笑うのはスパイと北朝鮮ではないか」と指摘した。検察と国情院いずれも今回のことを機に身を削る内部刷新を通じて再び信頼を得ることを国民の一人として切に望む。