Go to contents

カタールW杯競技場工事現場で年間数百人が死亡

カタールW杯競技場工事現場で年間数百人が死亡

Posted October. 30, 2013 04:21,   

한국어

インド南部出身の40代の労働者・ペルマル氏は先月、ドーハのワールドカップスタジアムの建設現場で亡くなった。ペルマル氏は6月、カタールのドーハ・ワールドカップスタジアムの建設現場に、出稼ぎに来た。夏の間中、50度もある熱風が吹きつけるカタールの砂漠現場で、1日に11時間ずつ、週6日も働いた。カタールでは、最も熱い夏の2ヵ月間は、午前11時半から午後3時までの作業が禁じられているのに、雇用主は全く気にしなかった。厳しい労働の中でも、ペルマル氏は、3、4年後に帰郷し、娘を結婚させ、住宅新築の夢を見ながら、耐えてきた。しかし、先月半ばごろ、高熱に苦しみ、寮のベッドの上で倒れ、立ち上がることができなかった。同僚らが、作業を終えて帰ってきたところ、ペルマル氏は心臓麻痺ですでに死亡していた。救急車に運ばれていった後、彼の消息を聞いた同僚など誰もいなかった。

1人当たりの国民所得が11万ドルと、世界で最も豊かな国といわれているカタールが主催する2022年ドーハワールドカップスタジアムの建設現場で、労働者らは過酷な天気の中で、奴隷労働に苦しみながら、毎年、数百人が命を落としていると、最近、フランス雑誌ル・モンドやガーディアンが次々と報じている。

カタールでは今、道路や地下鉄、ホテル、マリナーリゾート、住居団地など、インフラ工事が盛んに行われている。特にカタールの新空港は、交通ハブとして脚光を浴びているドバイに比肩される大規模な私設工事が行われている。まだ、ワールドカップスタジアムを建設すらしていないカタールは、22年まで、150万人の外国人労働者らが動員される予定だ。彼らは、その大半がインドやネパール、スリランカ、バングラデシュなど、東南アジア出身であり、月180〜243ユーロの給料をもらっている。

ル・モンドが、在カタールのインド大使館から入手した資料によると、10年から12年にかけてカタールで死亡したインド人労働者は700人、今年は9ヵ月間で159人が死亡した。ネパール大使館側は、「ネパールの労働者らも毎年、200人ほど亡くなっている」と明らかにした。死亡原因としては、心臓麻痺が50〜60%、作業場での事故や交通事故が15%を占めた。20代の若いネパールやインド人らが毎日、1人や2人ずつ心臓麻痺で死亡しているのは、高熱や脱水、過労のためと見られている。

しかし、これらの労働者らは自宅に帰ることができない。大半の労働者が、祖国を離れる時、飛行機代やビザの費用のため、巨額の借金を抱えたまま、仕事に来ていることを悪用し、賃金を何ヵ月も払っていないためだ。

インドの建設会社「サラフッディン」は、インド人労働者らに住居許可書を発行せず、海外送金もできなう上、いつでも警察に逮捕され、追放される危機に置かせることで、労働者らを非人間的に待遇した。ネパール出身の労働者・ラム・クマール・マハラ(27)氏は、「4人用宿舎に、7〜10人の労働者を一緒に寝かせたが、腹が減っていると抗議すると、監督官は私を宿舎から追い出し、給料も払わなかった」と話した。

カタールの労働実態について調査した国際労働組合総連合(ITUC)のシャロン・バロー事務総長は、「1週間に平均12人の労働者が死亡している」とし、「カタール政府の対策が無ければ、22年まで、少なくとも4000人が命を落とすことになるだろう」と見込んだ。

奴隷労働は、来年開かれるロシアのソチ冬季五輪のスタジアム建設現場でも深刻な水準だと、国際人権団体・ヒューマンライツウォーチやアムネスティインターナショナルが最近、批判した。ソチでは、旧ソ連国家出身の労働者数十万人が働いてきた。彼らも、低賃金や搾取、パスポート押収、賃金未払いに苦しんでいる。9月は、メディアセンターを建設していたウズベキスタン労働者らが、数ヵ月間分の未払い賃金を一文も受け取れなかったのに、パスポートの期限が切れたことを理由に、刑務所に入れられ、すぐ強制追放されたこともある。