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超新星ユンハクの華やかな帰還

Posted August. 29, 2013 04:21,   

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超新星は隠れ韓流スターだ。日本では1万席、2万席の公演がネットで10分で完売するほどの人気アイドルグループだが、韓国ではあまり知られていなかった。

「ただいま」

8月14日、日本の横浜アリーナでアイドルグループ「超新星」のリーダー、鄭允鶴(チョン・ユンハク、日本名、ユナク)が舞台の上で言った一声だ。客席を埋めた約1万2000人の女性ファンがペンライトを振って歓声を上げた。ユンハクが軍生活を振り返って、「零下20℃の極寒の中、野営訓練でテントで寝たが、とても寒かったので男同士抱き合って寝た」と言うと、爆笑が起こった。超新星メンバーのトークは、ユンハクの軍隊の話一色だった。韓国の女性は男たちが軍隊の話をすればつまらないと背を向けるが、日本の女性は韓国アイドル歌手の軍隊生活の経験を高い入場料を払って興味深く聞き入った。

ユンハクが1年10ヵ月前、軍入隊の前に東京の埼玉アリーナでファンミーティングをした時は、約2万人の女性が別れを惜しんで涙を流した。ユンハクが入隊する時、超新星メンバーは将来が不安だった。超新星がちょうど日本で人気が出てきた時にリーダーが2年近くいなくなれば、忘れられた存在になるかもしれないと恐れた。

しかし、それはいらぬ心配だった。ユンハクが軍隊生活を終えて転役した7月24日、第3軍司令部の前には小雨の中、日本からの女性ファンが乗り付けた観光バス45台が列を成した。ユンハクの除隊姿を見るために、2泊3日160万ウォンのツアーで韓国に来た熱狂的なファンたちだった。日本の女性たちは、「待っていた」とハングルで書かれたプラカードを持って「ユンハク」の名を連呼した。

第3軍司令部の正門前にいた日本人ファンの中には、医師の国家試験を数日後に控えた医大生のミドリさん(27)とその母親もいた。父親は弁護士だ。母親は、国家試験を控えた娘が本を開いていつもヘッドホンでユンハクの歌を聞いているので「あれで勉強ができるのか」と心配した。その一方で、国家試験3日前、ユンハクの「自由の日」を祝うために娘と一緒に韓国に来た。この親にしてこの子ありだ。ミドリさんは、ユンハクから「がんばってください」というメッセージとサインをもらった。そのおかげか、ミドリさんは国家試験に合格した。母親は、「ユンハクの歌と応援メッセージが娘の心を安定させた」と思った。

ユンハクは韓国では無名なので、芸能兵士にはなれなかった。しかし、スキャンダルが相次ぐ芸能兵士ではないため、除隊後はむしろ名誉だけが待っている。第3軍司令部軍楽隊で彼は、ミン・ギョンフン、ケーウィルのような歌の上手い歌手と時々練習した。ユンハクを知らなかった第3軍司令部の兵士たちも、日本の女性ファンからファンレターが1日に100通も届くため、彼の存在を認識し始めた。兵士たちは、ユンハクのおかげで日本の女性ファンが送る菓子をもらったりもした。ユンハクは、スーパージュニアのイトゥク、ミュージカル俳優のキム・ムヨル、タレントのチ・ヒョンウと共に韓国戦争を扱ったミュージカル「ザ・プロミス」を国立劇場で公演した。6ヵ月に渡る練習と公演が歌唱力をつけるのに役立ったと振り返る。

ユンハクの復帰で、超新星は日本で人気が急上昇している。日本で最も権威があり知名度も高いオリコンチャートで2位を記録した。日本のタワーレコード週間総合チャートで1位になった。ユンハクは、日本のプロ野球の試合で始球式をし、日本の映画の主演にもスカウトされた。

超新星のメンバー6人は皆背が高く、ハンサムで、ダンスがパワフルだ。ユンハクは、「王の男」のイ・ジュンギに似ている。超新星が日本で爆発的な人気を博しているのは、ユンハクのウィットのきいた日本語のためだ。ユンハクは韓国で中央(チュンアン)大学師範大学付属高校に通っていた時、日本の国費奨学生に選ばれ、愛知大学を卒業した。韓流アイドル奨学金を日本政府から受け取ったわけだ。ユンハクは、NHKで韓国語講座に出演するほど日本語が流ちょうだ。

安倍晋三首相や麻生太郎副首相は戦争犯罪を否定し、従軍慰安婦の存在を認めない発言で韓国人の怒りをかっている。しかし、日本で韓流は依然として熱い。超新星の公演会場では、日韓関係の関係悪化を全く感じることはない。韓国で日本の歌手が体育館に1万、2万人の女性を集め、歌が終わる度に拍手喝采を受けたとすれば、気分の良くない人も多いだろう。

超新星は9月2日から札幌を皮切りに11都市で全国ツアー公演を行う。チケットはすでに完売した。チャネルAは、韓国放送で初めて日曜日の9月1日午前9時、「論説主幹、世の中を見る」でユンハクのインタビューを送る。金姸兒(キム・ヨンア)、パク・インビのようなスポーツスター、そして韓流アイドルは、国家ブランドの価値を高める声なき愛国者だ。