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内部から開けた扉で侵入した北朝鮮の「トロイの木馬」

内部から開けた扉で侵入した北朝鮮の「トロイの木馬」

Posted August. 01, 2013 06:23,   

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韓国内の情報技術(IT)会社の代表が、北朝鮮偵察総局のスパイや北朝鮮のハッカーに韓国内コンピューター網サーバーへのアクセス権限を渡し、韓国内外のパソコン11万台がゾンビPCになったという捜査結果が出た。敵が植えておいた「サイバー侵略軍」11万人が、北朝鮮の命令のみを待っていたことになる。正にトロイの木馬を思わせる。10年間にわたる激しい攻城戦で、トロイを陥落させられなかったギリシャは、木馬を利用して最終的な勝利を挙げた。木馬の内部にいたギリシャ兵士は、わずか30人だった。

IT会社社長のキム某容疑者が、どのような目的で利敵行為を行ったのか、まだわかっていない。大学時代、学生運動家だったキム容疑者は、1990年代末、中国に位置するIT関連南北合弁会社で働きながら、北朝鮮の工作員と接触したという。背後に関連組織があるなら、これも同様に、抜本的に根絶やしにしなければならない。

国内サーバーへのアクセス権限を渡した事件は、今回が初めてではない。ゲームプログラムの制作仲介業者・チョ某氏は、北朝鮮偵察総局所属の工作員に、コンピューター網へのアクセス権限をわたし、韓国内パソコン6000台あまりをゾンビPCに仕立て、昨年懲役2年の実刑が言い渡された。

北朝鮮は00年代に入り、韓国向けのサイバー戦を実施できる力量を、大々的に強化している。IT大国だがセキュリティが脆弱な韓国では、橋や道路を爆破させることより、コンピューター網を麻痺させることのほうが、より社会を混乱させることができる。北朝鮮は、3000人あまりの専門ハッカーを育成し、虎視眈々とサイバーでの韓国攻撃を狙っている。今年3月と6月のサイバーテロのほか、09年の7・7ディードス(DDoS)攻撃、11年の3・4ディードス攻撃は、両方とも北朝鮮の仕業であることが判明した。

韓国が、北朝鮮のサイバーテロにこれまでなぜ手を拱いていたのかをめぐる謎も、少しずつ解けている。内部に北朝鮮に内通する者がいれば、いくらしっかりと要塞を構築しても、サイバー上の領土を守りきることなどできない。

韓国最高のホワイトハッカーという評価を受けているラオンセキュアのパク・チャンアム・セキュリティ技術チーム長は、「やられることも知らず、やられっぱなしのハッキング被害は、より多いだろう」とし、政府の安易な対応を叱咤した。奇襲的かつ同時多発的に行われる北朝鮮のサイバー上での総攻撃に対し、韓国社会に警鐘を鳴らすとともに、備えあれば憂いなしの防御体制を整えることが重要だ。