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韓流の成功は「違法な才能寄付」のおかげ?

韓流の成功は「違法な才能寄付」のおかげ?

Posted June. 29, 2013 05:20,   

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韓流現象が興味深いのは、それこそ「意図しなかった成功」だからだ。韓国人のために制作された歌やドラマが、それも、中華文化圏という巨大市場が支えている香港や、頑丈な国内市場が支えている日本の大衆文化を抜いて、世界の人たちの心を虜にした秘訣はなんだろうか。

まず、「どのように」の問題。西欧の韓流現象について研究してきた著者は、「世界化」や「デジタル」で、その答えを見つけた。これは、韓国でドラマの放送が終わってから48時間内に、インターネットに英語字幕が書き込まれ、3〜4日後は、20ヵ国以上の言語の字幕が付けられ、流通される現象が、それを端的に示している。世界中の韓流ファンらが、違法を甘受しながら、才能を寄付したおかげだ。

次は、「なぜ」に答える番だ。著者が示した解釈の中には、△傲慢なハリウッドのスターとは違って、韓流スターは、スタートと「セレブ(celebrity=有名人)との間ぐらいに位置づけられる身近な存在であり、△度を過ぎた完璧さで見え透いた米ドラマに比べ、韓国のドラマは、簡単な感情移入のできる隙間のあるコンテンツだという内容も入っている。

学術書にも関わらず、この本がすらすら読まれる理由は、欧米の韓流ファンらの「証言」を生々しく伝えているからだ。これは、著者が、フランス・ボルドー大学で13年間、教鞭を取りながら、地元にファンらを近くで観察できたおかげだ。たとえば、フランスではメロドラマが無くなって久しく、涙を誘うメロへの免疫がない。それで、地元のファンらは、「韓国のメロドラマを見てからは、数日間、正常な活動が不可能だ」、「脱水の恐れがあり、ミネラルウォーターを用意してから見なければならない」などの経験談や助言をやり取りしているという。

著者は、これまで発表してきた論文に、骨組みを立て、肉をつけながら労作をまとめた。今年、ソウル大学言論情報学科の教授に赴任した。