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欧米製薬会社、新薬開発で東ドイツの5万人を違法実験

欧米製薬会社、新薬開発で東ドイツの5万人を違法実験

Posted May. 14, 2013 08:09,   

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ドイツやスイス、米国の強大な製薬会社各社が、ドイツ統一前まで、東ドイツの病院で約5万人の患者を対象に、開発中の新薬の違法的臨床試験を実施し、多数の死亡者が発生したことが明らかになったと12日、ドイツ週刊誌・シュピーゲルが報じた。

同報道によると、ドイツのバイエル、シェリング、ヘキスト、スイスのロチェやサンドなどは、1989年まで、東ドイツの国立病院50数ヵ所で、計600件の医薬品の実験を行った。実験の見返りとして、1件当たり80万マルク(約5億7700万ウォン)が渡された。

現在、バイエルに買収合併されたシェリング社は、東ドイツ病院に一連の実験のため、300万ユーロを支払った。シェリングが開発していた皮膚ガン治療剤の実験対象になり、1986年に死亡した30歳の女性の娘、二コル・プライスは、「母親の死を巡る秘密があまりにも多い。どのような薬と製薬会社が死と関連があるのか知りたい」と話した。

フランスの製薬会社・サノフィに買収されたドイル・ヘキストの血行改善剤「トレンタル」の実験過程でも、患者2人が死亡した。バイエル社は、脳の血行改善剤「ニフォディフィン」を、精神疾患を患っているアルコール中毒者らに対し、実験を行った。ロチェは、未熟児を対象に、「ブラッドブースター」という薬も実験した。今は、スイスのノバルティスに渡されたサンドが、肺疾患の患者を対象に実施した血圧薬の実験では、二人の患者が死亡した。

問題は、欧州で臨床試験の対象になる患者らとは違って、当時、東ドイツの患者らは、薬の副作用や危険性について十分説明を受けないまま、事実上、違法的な実験が行われたことだ。外貨が必要だった東ドイツ政府や病院が、規定を事実上無視したと、シュピーゲルは批判した。

欧米の製薬会社各社は、1960年代の「サリドマイドスキャンダル」以降厳しくなった新薬販売前の臨床試験の規定を満たすため、資金の足りない東欧圏諸国を利用したのだと、同紙は報じた。睡眠剤として開発されたサリドマイドは、十分な事前検証無しに販売され、数多い奇形児出産の原因となった。

シュピーゲルは、東ドイツの情報機関・シュタージの秘密ファイルや東ドイツ保健部の未発表文書から資料を入手したと明らかにした。しかし、製薬会社各社は、「試験は相当前に行われ、原則として医薬品実験の厳しい規定を常に守った」とし、「いかなる違法が行われたと疑うだけの情況など無い」と反ばくした。