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負債デフレに資産デフレまで、「流動性の落とし穴」警戒の声も

負債デフレに資産デフレまで、「流動性の落とし穴」警戒の声も

Posted July. 19, 2012 07:31,   

Updated January. 01, 1970 09:00

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小規模の記念品を納入しているソ某さん(44)は、最近眠れない夜が続いている。1年前は9億5000万ウォンだったマンション(115㎡)価格が8億ウォンまで下がったほか、500万ウォン超だった家計の月収も200万ウォンに減った。純利益200万ウォンのうち100万ウォンはマンション購入の際にもらった融資金2億2000万ウォンの利子に取られるので、残りの100万ウォンで生活を切り盛りしなければならない。ソさんは「家を売って融資金を負担を減らしたい気持ちだが、住宅価格が下がり過ぎている上、売買も行われていない」として苛立ちを見せた。資産価値が下落したところへ所得まで減り、負債償還の負担だけが重くなっているのだ。

ソさんおような状況にある人が大きく増え、韓国経済が「負債デフレ」の初期局面に入ったと指摘する声まで出ている。欧州財政危機による景気後退、900兆ウォンを超える家計負債、最悪の不動産不況などが重なった結果だ。

負債デフレは、住宅価格など保有資産の価値が下落し、負債の実質的な負担が膨らみ、これによって悪化した消費心理が実体経済に打撃を与える悪循環の構造を持つ。

●下がり続ける資産価値

最近起きている資産デフレの中心には不動産価格の下落がある。韓国の家計負債に占める不動産の割合は約75%で先進国を大きく上回っている。

18日、国民(クンミン)銀行によると、首都圏の6月の一戸建て住宅の売買価格は前月比で0.1%下落した。2010年8月(マイナス0.2%)以降、約2年ぶりの下落だ。首都圏住宅価格の下落傾向がマンションだけでなく一戸建て住宅にまで転移している。

ソウルのマンション価格も昨年6月から先月にかけての1年間、2.4%下落した。最高だった価格の半分になったマンションが続出し、ソウル地域の再建築対象のマンション価格も心理的な抵抗線の崩壊が迫っている。激しい景気後退の中でも賃貸収益が期待された商業用ビルの投資収益率も、ここにきて下落に転じた。

金融資産の価値も下がり続けている。17日の株式市場(コスピ)の時価総額は1050兆ウォンを記録したが、これは今年4月3日(1178兆ウォン)に比べて128兆ウォンも下落した。今年初めにも株式市場ではいつものようにバラ色の楽観的な展望が示されたが、ユーロ経済危機や中国経済の減速など懸念される海外要因が相次ぎ、コスピは1800ポイントを割り込んだ。株式やファンドなど庶民層の金融資産が大量に損をしたことを意味する。他の実物資産も一様に下落傾向にある。リゾート会員権の価格は、全国的に値動きを小さく、ゴルフ場会員権価格は最高値だった時期に比べて3分の1まで下がった例が続出している。

●「流動性の落とし穴」警戒の声も

適当な規模の負債は消費を増やしインフレを誘発する。だが、負債が臨界点を超え、過度に増えると返済負担のため消費は逆に落ち込む。とくに韓国のように負債が多く、資産価値まで下がっている状況下では、単なる消費の減少に止まらず、経済全体がデフレによる景気後退に陥るリスクが高いと、専門家たちは警告している。

しかも負債を返すために所有している不動産を投売りすると、住宅価格がさらに暴落するという悪循環につながりかねない。1990年代序盤、長期不況が始まった日本で現れた現象が、いま韓国で再燃される可能性があるという。オ・ジョングン高麗(コリョ)大学教授(経済学)は、「20年前の日本は、不動産バブルが崩壊し、金融機関の債権不良化が重なり、典型的な負債デフレが起きた」とし、「韓国も銀行の不良与信の割合が拡大しており、対策を立てないと第二の日本になりかねない」と指摘した。

専門家らは、追加の金利引き下げや不動産景気活性化を狙った強い対策を注文している。物価上昇率が2.2%(6月)に過ぎないのに消費や投資の活性化につながらないのは、デフレの兆候だと懸念しているからだ。ただ、その過程で流動性の落とし穴を警戒するべきだという声も少なくない。



jarrett@donga.com dew@donga.com