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[オピニオン]人殺しの加湿器殺菌剤

Posted November. 14, 2011 04:48,   

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米国のドラマ「CSI」を見れば、科学捜査隊は弾丸の弾道を分析したり、被害者の体についている昆虫や植物を追跡して犯人を割り出す。捻くれ者の医者を扱った米国ドラマ「ハウス」では、医療スタッフは患者の住居空間から感染原因を探ることから始める。このようなドラマの素材になるほどの事件が国内で発生した。疾病管理本部が、妊婦と子どもの命を奪った肺損傷の犯人に、加湿器に入れる殺菌剤を指摘した。今年4、5月、4人の妊婦が病院で相次いで死亡したのをはじめ、これまでに9人が原因不明の肺疾患で死亡した。

◆問題の殺菌剤成分はPHMGとPHGで、この成分を吸い込んだネズミの肺が正常なネズミよりも膨らみ、呼吸困難を起こした。肺損傷で死亡した人と同じ症状だった。加湿器の殺菌剤は加湿器用の製品なので、吸入する場合に備えた安全性の検査が必要だが、検査がなかったのが事故の原因だった。殺菌剤成分が鼻から入る可能性があることが分からなかったか、分かっていてい軽く考えた製造会社と関連機関は責任を避けられない。

◆現在、世界で約10万の人工化学物質が使用されており、毎年約1000の新物質が製造されている。石けん、歯磨き粉、洗剤、化粧品などの家庭用品の大半は人工化学物質だ。家庭用品は皮膚に直接触れたり、鼻から吸入されることが多く、注意しなければならない。昨年、英国では、中国産ソファを購入した消費者約2000人が訴訟を起こし、2000万ポンド(約360億ウォン)の被害補償金を受け取った。革ソファのかび予防のための防腐剤フマル酸ジメチル(DMF)が皮膚病を起こしたためだ。色素に鉛が含まれた中国産のおもちゃが、米国で販売中止になったこともある。

◆家庭用品は生活の便宜を増進させるが、自然の流れに逆らえば害悪を起こす。不快な臭いを除去するために喚起するよりも、芳香剤をまくことが増えた。以前は、部屋の中に濡れたタオルや洗濯物を干し、草花を育てて室内の湿度を調節したが、最近は部屋ごとに加湿器を置く家が多い。加湿器を掃除したり、毎日水を換えるのが面倒で、加湿器に殺菌剤を入れる。人殺し加湿器殺菌剤は、過度な人工化学物質依存に対する強力な警告だ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com