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健康—反政府—反米で結集する広場vsSNS活動空間

健康—反政府—反米で結集する広場vsSNS活動空間

Posted November. 09, 2011 03:36,   

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08年の米国産牛肉輸入反対デモに多くの市民が参加したのは、「米国産の牛肉を食べれば狂牛病にかかる確率が高くなる」という不安が最大の理由だった。当時、デモ隊の間では、米国産の牛から作った化粧品やおむつを使っても狂牛病に感染し、米国では数十万人の人間狂牛病患者がいるといった怪談が事実であるかのように広まった。怪談はその後、すべて偽りであることが判明したが、当時、政府は世論の圧力に勝てず、米国と再交渉した。3年が経過した今年の韓米自由貿易協定(FTA)締結反対の動きも、当時と似た様相で進んでいる。

●健康問題でテーマを単純化

08年の狂牛病デモのキーワードの一つは、「脳がスポンジのように穴だらけになる」だった。米国産牛肉を食べれば、人間狂牛病にかかって死ぬとういことだ。今回も、韓米FTA反対論者は、「健康」問題を挙げている。FTAが通過すれば、医療の民営化によって、盲腸の手術費用が900万ウォンになるなど治療費が高騰するほか、複製薬の使用が不可能で、1ヵ月に100万ウォン近い薬代を負担しなければならないという怪談を作り出したのだ。反政府・反米感情を活用するのも似ている。08年の狂牛病デモを主導した団体は「2MB弾劾連帯」などの反政府団体で、牛肉輸入問題を反米の争点に活用し、反政府勢力を結集させた。今回の韓米FTA反対の動きも、「李明博(イ・ミョンバク)政府を審判する国民運動本部」などの反政府団体が、怪談を主導的に伝播している。

社会問題に積極的な芸能人「ソーシャルテイナー」が、論議の触媒の役割をしているのも似ている。08年、女優の金ミンソン(金ギュリに改名)氏はミニホームページに、「狂牛病の牛肉を食べるくらいなら青酸カリを飲む」と書き込み、論議に火をつけた。今年は、小説家の李外秀(イ・ウェス)氏がツイッターに「(韓米FTAで)あまりにも多くを失うことになる」と書き、小説家の孔枝泳(コン・ジヨン)氏らがリツイートして反対世論を形成した。

世論の流れに十分に対応できない政府の態度も繰り返されている。08年、政府は「明博山城」という造語を生むほど、国民との疎通が不十分で、反政府世論が広がるのをただ眺めることしかできなかった。今回も、様々なメディアを通じて積極的に事実を広報し、怪談を静めるよりも、怪談流布の震源地とされるソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)に対する取り締まりで対応している。

●狂牛病はソウル広場、FTAはSNS

違いもある。08年の狂牛病デモの時は、様々な年齢層と階層の市民が参加したが、今回は20、30代の若い女性が反対世論を主導していると、警察は分析している。警察はオンライン上に拡散する韓米FTA反対世論を注視するために、20、30代の女性のオンライン美容カフェ、ソウル・ドレッサー(会員16万人)、ファジャンバル(34万人)、サンファチャ・ココア(10万人)の3つのサイトを監視している。警察は、これらのサイトで活動する会員60万人の間で韓米FTA怪談が流通していると見ている。米国産牛肉輸入反対デモが、オンラインを通じて世論が増幅し、MBCの「PD手帳」の報道などで火がつき、一瞬にして広場にあふれ出たのとは違って、韓米FTA反対の動きは、まだオンライン上の争点で留まっている。最近続いている韓米FTA反対デモの参加人員は、数百人から多くて約2000人規模。ただ、最近、SNSによる「無限リツイート」などにより、韓米FTA反対世論が広がる速度は08年よりもはるかに速い。



neo@donga.com jaj@donga.com