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ウォール街の憤り招いた格差問題、韓国もすでに「危険レベル」

ウォール街の憤り招いた格差問題、韓国もすでに「危険レベル」

Posted October. 13, 2011 03:01,   

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「ウォール街を占領せよ(Occupy Wall street)」という掛け声は、社会構造が日々米国と似てくる韓国でも幅広い共感を得る可能性が高い。1997年の通貨危機後、2000年のドットコム(IT)バブルの崩壊、03年のクレジットカード大乱、07年の不動産バブルの崩壊、08年のグローバル金融危機、今年の欧州財政危機など、繰り返される経済危機に、韓国の中間層は崩壊し、貧富の格差が深まっているからだ。

あらゆる手段を使っても膨大な富を子供らに引き継がせる一部企業のオーナーの逸脱した行動など、「1%と99%」に象徴される不公正さは、韓国が米国より深刻ではないかという主張も、一部から出ている。

●所得格差は日増しに深刻化

韓国の2人以上都市世帯の平均所得は、通貨危機時の1998年の98万4169ウォンから、昨年は189万4988ウォンへと、92.5%増加した。しかし、大きくなったパイは、経済的に富裕層に集中された。所得別に10階級に分けたとき、最も所得の低い第1階級(下位10%)の平均所得は、同期間38万2662ウォンから59万9981ウォンと56.8%増に止まった。一方、所得水準の最も高い第10階級(上位10%)は、165万8007ウォンから328万9915ウォンへと、98.42%増となった。

「貧しい人はますます貧しくなり、金持ちはますます金持ちになる」現象は、中間層が崩壊した結果によるものだ。2、3年周期で危機に見舞われるうちに、韓国経済を支えてきた中間層が薄くなったのだ。彼らのうち、一部の僅かな人間だけが上流階層に上がり、大半は下位階層に転落したというのが、大半の見方だ。

所得配分の不均衡度合いを示すジニ係数も、日々悪化している。1997年0.264だったジニ係数は、09年は0.329まで上昇し、昨年は0.315と落ち着きを見せた。ジニ係数とは、0と1との間の数字で表現されるが、1に近いほど不平等が深刻であることを意味する。通常0.4を越えれば、不平等の度合いは大変深刻だと解釈される。中間所得の50%未満を稼ぐ人口の割合を示す相対的貧困率は、1997年の8.7%から2010年は14.9%にまで高まった。

現代(ヒョンデ)経済研究院によると、今年1月から8月にかけての韓国の経済苦痛指数は平均8.1%と、グローバル金融危機時の7.8%よりも高まった。経済苦痛指数とは、消費者物価の上昇率に失業率を足した数値で、国民が肌で感じる経済的生活の厳しさを計量化し、数値で表したものだ。

現代経済研究院のチュ・ウォン研究委員は、「海外では世界経済の回復の勢いが不十分であることによる雇用不安や国際原材料価格の上昇によるグローバルインフレとあわせて、国内の農産物価格の高騰のため、経済苦痛指数が高くなった」と主張した。

●国際基準から見ても深刻な格差問題

韓国の所得不平等も、経済危機に見舞われたことで悪化した。頑丈な福祉システムが崩壊し、貧富の差が広がっているという欧州連合(EU)メンバー国のジニ係数が0.31なのに対し、韓国のジニ係数は、昨年は0.315に達した。デフォルト(債務不履行)直前のギリシャの00年代後半のジニ係数が0.343だったことを考慮すれば、韓国の所得不平等度合いは、EU平均を下回っている。

経済協力開発機構(OECD)によると、00年代中頃の基準で、韓国の相対的貧困率は14.6%と、OECD30メンバー国のうち7番目に高い。米国(17.1%)や日本(14.9%)、アイルランド(14.8%)が、韓国より高く、財政危機に見舞われているスペイン(14.1%)やギリシャ(12.6%)、イタリア(11.4%)は韓国より低い。1997年、韓国の相対的貧困率(8.7%)は、ニュージーランド(8.4%)やドイツ(8.5%)に匹敵する世界最低レベルだったが、危機に見舞われ、貧富格差の大きい国へと転落した。

韓国の所得不平等度合いが悪化した結果、米ウォール街デモ隊の一部の掛け声は、韓国の現状にも適用できるという指摘が多い。シカゴ・デモ隊の12項目の要求事項のうち、富裕層減税の撤廃や金融監督機関従事者のかつての職場への再就職禁止、企業収益は結局国民の収益だとする論理の拒否、授業料融資に苦しむ学生の救済などは、まるで韓国のデモの掛け声を思わせる。

国際通貨基金(IMF)から救済金融を受け、本格的に上陸した新自由主義が10年以上、韓国経済の主流となり、所得不平等、経済二極化のような新自由主義の弊害まで、先進国を追随しているという主張も出ている。

誠信(ソンシン)女子大学の姜錫勳(カン・ソクフン)教授(経済学)は、「企業の利益創出が雇用へと繋がる好循環が崩壊し、中小企業中心の内需部門と大手企業中心の輸出部門との格差が拡大し、所得配分が悪化した」とし、「福祉システムの有効化、雇用創出の拡大、立ち直りに向けたチャンスの拡大などに向け、政府や企業が一緒に努力しなければならない」と主張した。



january@donga.com