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「光速より速いニュートリノを観測」…相対性理論が破れるか

「光速より速いニュートリノを観測」…相対性理論が破れるか

Posted September. 24, 2011 03:04,   

Updated January. 01, 1970 09:00

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23日午前2時59分33秒(韓国時間)。論文草稿オンライン登録サイト(ArXiv.org)に、「OPERA検出器で測定したニュートリノ(neutrino、中性微子)の速度」というタイトルの論文が掲載された。論文の提出者は、OPERA検出器があるイタリア・グランサッソ国立研究所のパスクワーレ・ミリアッチ博士だった。

平凡に見えるこの論文は、世界の物理学界を驚かせた。「ニュートリノが光速よりも速い」という内容が含まれていたためだ。1905年にアインシュタインが特殊相対性理論を発表して以降、科学者は「光速より速いものはない」という仮定から出発し、現代物理学の枠組みを築いた。100年以上破られなかった相対性理論は、科学者にとって宗教的信念同然だった。

研究陣の主張のようにニュートリノが光速より速いという実験結果が事実なら、現代の物理学教科書を書き直さなければならない。SF映画のように、タイムマシンを乗って時間旅行を楽しむことが可能になるかもしれない。

●「光速より0.00000006秒早く到着」

研究陣が出した結果は、ニュートリノが光速よりも60ナノ秒(0.00000006秒)速いということだ。研究陣は、この結果を得るために、09年から3年間、OPERA検出器で約1万6000個のニュートリノを検出し、速度を計算した。

研究陣は、スイス・ジュネーブにある欧州原子核研究機構(CERN)の陽子加速器で陽子どうし衝突させ、ニュートリノを得た。このように確保したニュートリノを銃を撃つように732キロメートル離れたイタリアのOPERA検出器に送る。CERN加速器とOPERA検出器は地下にあり、ニュートリノは地面を通過する。

このように得たニュートリノ1万6000個は、732キロメートルの距離を平均0.00243秒で走破した。1秒当たり約3億メートル移動し、光速より速い0.00000006秒早く目的地に到達した。光の速度は1秒当たり2億9979万2458メートルだ。実験どおりニュートリノが光速より速いなら、過去や未来に情報を送ることができるようになる。時間旅行が可能になるのだ。アインシュタインも、「光速より速くメッセージ(情報)を送ることができるなら、過去に電報を打つことができるだろう」と言っていた。

OPERA研究に参加する韓国側責任者のユン・チョンシル慶尚(キョンサン)大学物理学科研究教授は、東亜(トンア)日報の電話取材で、「100人にのぼるOPERA研究陣は、実験の結果を見ても初めは信じることができず、数回確認した」とし、「研究者らに実験の結果に同意するか確認した後、論文草稿をオンラインに公開した」と話した。

●測定の誤りの可能性を提起、学界は「慎重論」

しかし、今回の結果に対する学界の反応は、「慎重論」が大勢だ。過去、2度にわたってニュートリノの速度を測定したが、光速より速いという結論には到達しなかったためだ。

00年代初期、日本・筑波にある高エネルギー加速器研究所(KEK)は、250キロメートル離れたスーパーカミオカンデ検出器までニュートリノを送ったが、光速より速いという結果を得ることはできなかった。スーパーカミオカンデ検出器は、現存する世界最大のニュートリノ検出器だ。07年、米シカゴにあるフェルミ国立加速器研究所も、約724キロメートル離れた地点にニュートリノを送ったが、光の速度と一致するという結論を得た。

ソウル大学物理学科の金修奉(キム・スボン)教授は、「今回の結果が正しいと判明されるなら、これは太陽が地球の周辺をまわるという天動説から地球がまわるという地動説に移る時の衝撃のように大きい」とし、「実験に誤りがないのか、もう一度検討することが優先だ」と強調した。

ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校物理学科のチョン・チャンギ教授も、世界的な科学ジャーナル「サイエンス」とのインタビューで、「今回の実験結果は、システムの誤りによる可能性が高い」と評価した。チョン教授は、スーパーカミオカンデ・プロジェクトに参加する米国側報道担当を務めるほど、ニュートリノ分野では世界的な専門家だ。チョン教授は、「ニュートリノがスイスから出発し、イタリアに到着するまでにかかった時間を正確に測定できない可能性が高い」と述べた。

これに対して、OPERA研究陣は、ニュートリノの「飛行」時間を全地球測位システム(GPS)とセシウム原子時計を使って10ナノ秒未満で非常に精密に測定し、距離測定の誤差も約20センチメートルと非常に小さいと主張した。

一方、今回のことで、ニュートリノの研究は一層活発になるものとみえる。ニュートリノは、「小さい中性子」という意味で、宇宙を構成する基本粒子だ。質量を持つ粒子の中で最も軽い。ニュートリノは宇宙にいっぱいあるが、目には見えない。物質と反応することもない。宇宙から飛んでくるニュートリノは、1平方センチメートルの面積に1秒当たり1000億個が人間の体を通過するが、何の影響も及ぼさない。地表面も貫通する。そのため「幽霊粒子」という別称もある。



uneasy75@donga.com