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[オピニオン]米国の遠征出産を防ぐ改憲論

[オピニオン]米国の遠征出産を防ぐ改憲論

Posted April. 17, 2010 03:26,   

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米国で遠征出産に対する否定的な空気が拡散している。米保険統計センター(NCHS)の調査結果、00〜06年に米国に居住しない女性たちが米国で生んだ新生児数が53%増加したと、米ABC放送が報道した。06年に生まれた新生児427万3225人のうち、7670人が米国に住んでいない外国人女性の子供だった。このなかには、留学もしくは米国出張中に子供を生んだ女性もいるが、大半は子供の市民権獲得を目当てに米国に渡って子供を生んだ女性たちだ。米国で生まれた韓国人は22歳以前に選択する国籍によって、兵役の免除を受けることができる。州立大学に進学する場合、外国人留学生に比べて、学費の半分を免除される恩恵も受けられる。

◆遠征出産を米国では出産観光と呼んでいる。出産観光をしているのは、主に韓国、中国、台湾、メキシコの国民だ。最近はトルコや東欧の国々が合流している。韓国に対する米国の査証免除措置で韓国人の遠征出産がさらに増える傾向を見せている。韓国ママたちの過熱ぶりが、他の国の女性たちにも影響を与えているのではないかという気までする。このようにして生まれた子供は、後日、家族が移民にくるとき、イカリを提供する「アンカーベイビー(anchor baby)」の役割を果たす。

◆米国はフランス、カナダとともに国籍の属地主義を採択している数少ない国の一つだ。市民権も永住権もない不法滞在者や旅行客の子女に対しても市民権を自動的に与える条項は、1868年に「米国で生まれたすべての子供に米国市民権を付与する」という修正憲法第14条に従ったものだ。もともと南北戦争以降、解放された奴隷たちの市民権を保障するための措置だったが、とんだところで遠征出産を呼び込む制度になってしまった。

◆米国のメディアと共和党を中心に、「遠征出産は、修正憲法第14条の意味を汚している」という批判が出ている。属地主義の廃止を内容としる法案が連邦下院に上程されている。米国はわが国ほど憲法改正が難しくはない。遠征出産に対する否定的な世論がさらに強まれば、いつかは属地主義条項が憲法からなくなるかもしれない。そうならないと、韓国のママたちの遠征出産行列はなくならないかもしれない。市民の義務は全うせず、恩恵だけを享受しようとする遠征出産を排斥する米国内の空気は、立場を置き換えて考えてみれば十分理解できることだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com