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[オピニオン]北からの書き込み

Posted July. 14, 2009 09:13,   

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北朝鮮では、国家機関をはじめとし、極めて制限された機関と場所でのみインターネットが可能だ。一般住民のほとんどは、インターネットを見る機会すらない。北朝鮮の対外宣伝用サイトは、日本の朝総連や海外の工作組職、または親北朝鮮勢力が、運営・管理している。97年にインターネットに登場した北朝鮮公式ホームページ「わが国」は、韓国語、英語、中国語、アラビア語など9カ国語で運営されている。韓国内はもとより、米国、日本、中国でもアクセスが遮断されている。同サイトには、金正日(キム・ジョンイル)総書記の日程や北朝鮮の観光情報も掲載されているが、宣伝・扇動が大半だ。

◆インターネットのIPアドレスを管理するインターネット管理機関(ICANN)は07年、北朝鮮に国家ドメインとして「.kp」を認めた。しかし、このドメインを使用するサイトは「わが国」だけだ。北朝鮮内のインターネットは、中国から専用ラインを引いて使用しているため、IPアドレスを追跡しても、北朝鮮のIPアドレスは出てこない。北朝鮮は、マネーロンダリングをするように、IPアドレスのロンダリングをするので、IPアドレスの追跡だけで、DDoS攻撃の背後を暴くことは難しい。「北朝鮮IP」が使用されていなかったからといって、背後に北朝鮮がいないと断定するのは、北朝鮮の実情が分かっていない主張である。

◆全世界がインターネットでつながれた時代においても、北朝鮮住民らは外部の世界に壁をつくり、「わが道」を叫ぶ金正日集団の統制のために、暗黒の中で暮らしている。しかし、最近のDDoSテロを機に明らかになった北朝鮮のサイバー戦争の組職と能力は、かなりの水準であることは間違いない。国家情報院が、サイバー攻撃の背後とにらんでいる北朝鮮人民軍総参謀部偵察局傘下の「110号研究所」には、コンピューター秀才の教授や研究員100〜200人が勤務している。住民は飢えても、このようなところに金を惜しまないのが金正日政権だ。

◆北朝鮮の「統一戦線部101連絡所」に勤めていたという脱北者のチャン・ジンソン氏は、最近、「『インターネット浸透研究所』で、韓国の30万の住民登録番号を確保し、書き込み心理戦を繰り広げている」と主張した。韓国のインターネットの書き込みには、北朝鮮が宣伝・扇動用に書き込んだものがあるという話だ。ろうそくデモの時、北朝鮮からの書き込みを見て、街頭に出ていった人はいなかったのだろうか。陸海空だけでなく、インターネットを利用した北朝鮮の浸透と攻撃にも備えなければならない時代だ。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com